新城で小倉氏迎え新春経営者セミナー

　県商工会連合会新城設楽支部主催の２０２０年新春経営者セミナーが22日、新城市商工会館で開かれた。大阪府守口市の鉄工業・淀川製作所社長の小倉庸敬氏が講演し、10年前に完成させたＥＶ（電気自動車）の製作とその後の事業展開を語り、「リーダーは夢と希望を語り、社員たちのモチベーションをあげていくことが大事」と説いた。
　小倉氏は「町工場のおやじ　電気自動車ロードトレインに挑む」を演題に講演。新城市や設楽町、東栄町などの各商工会会員ら70人が聴講した。
　ＥＶの製作にはリーマンショックの最中に２００８年に思い立った。町工場でもできることを知り、同業者だけでなく建築デザイナーなど異業種の人たちとプロジェクトを組んで開始した。
　「当時は社員から道楽のために何してんねんと言われたが、決して諦めなかった」と語り、大阪府の補助金事業なため、事業期限内の２０１０年３月末までに完成させた。
　電池を燃料に現代版人力車をコンセプトに側面に番傘、車体には和紙と漆（うるし）塗りを施して試作品「Ｍｅｇｕｒｕ」を製作。「目標を定めて行い、社員や協力企業たちも無償で取り組んでくれた」と振り返った。
　ＥＶは遊園地やテーマパークから発注があるほか、電車型のロードトレインも製作してショッピングモールからの製作依頼があることを明かした。「異業種交流会の開催や、金融機関との情報交換で仕事に結びつけていくことも大事」と経営戦略へのアドバイスを送った。
（安藤聡）