フェニックス河村 ホーム豊橋でB1最年少デビュー

　Ｂリーグ三遠ネオフェニックスは25日、豊橋市総合体育館で強豪千葉ジェッツと対戦。特別指定選手として三遠と契約した18歳の河村勇輝（福岡第一高校３年）が、Ｂ１最年少デビューを飾ったが、チームは56―75で惨敗した。26日も65―91で負け、低迷が続く。
　先発ポイントガード（ＰＧ）の鈴木達也のアクシデントもあり、第１クオーター残り３分41秒、大歓声の中で河村がコートに投入された。
　残り１分を切ったところで、フリースロー２本を獲得。淡々と２本とも沈め、史上最年少得点の記録も更新した。終了間際には自らドライブで切り込み、レイアップシュートを決めると会場の盛り上がりは最高潮に達した。後半は、足に違和感があり失速した河村だが、この日は22分間のプレータイムで８得点した。
　試合後、Ｂ１デビューに「すごくうれしかったし、これがスタートだなと思った。短い期間だが、爪痕が残せるよう、チームの勝利に貢献したい」と堂々と語った。
　河内修斗ヘッドコーチは「バスケットが速くなった。いいディフェンスもあり、前からエナジーを出してやってくれている。彼らしいプレーをしてくれた」と評価した。
　河村とマッチアップした日本を代表するＰＧの富樫勇樹は「多分、数回の練習しかしていないはずなのに、彼が入ったことでチームの雰囲気ががらりと変わって、一人で他の４人を動かしていた」と驚きを隠さず「初めて自分より年下でワクワクさせる選手。スピードはもちろん、パスセンス、コートビジョンは素晴らしいものを持っている。プロでやれる実力はある。今後、対戦するのが本当に楽しみ」とこれからの活躍に期待を寄せた。
　一方で、河村は「まだまだいろんなことが経験不足だが、自分のバスケが通用する部分はたくさんあった」と冷静に分析。デビュー戦に３０３６人のブースターが詰めかけ、河村の背番号「０」をあしらったぬいぐるみやキーホルダーのグッズは完売した。「勝つことが一番のファンへの恩返し。なるべく早く勝利を届けたい」と力強く宣言。復活への起爆剤を手に入れた三遠は29日、新潟アルビレックスＢＢとアウェー戦に臨む。
（飯塚雪）