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黒柳さんが日本料理世界王者に

日本料理大会で世界チャンピオンに輝いた黒柳さん=豊橋市松葉町の「割烹むぎとろ」で
日本料理大会で世界チャンピオンに輝いた黒柳さん=豊橋市松葉町の「割烹むぎとろ」で
優勝メダルと表彰状
優勝メダルと表彰状
優勝に輝いた「華やぐ日本の恵み ~春爛漫・松花堂弁当~」
優勝に輝いた「華やぐ日本の恵み ~春爛漫・松花堂弁当~」

 国内外の優秀な料理人が日本料理の腕や知識を競う「第7回日本料理コンペティション」(NPO法人日本料理アカデミー主催)で、豊橋市松葉町の「割烹むぎとろ」(黒柳悦也代表)の専務・黒柳武志料理長(44)が優勝した。初回から挑戦を続け、7度目にして世界チャンピオンの栄冠を手に。「日本料理の良さを多くの人に広めたい。若い人たちに、あきらめずに挑戦すれば必ず夢はかなうと伝えたい」と語る。

 小坂井高校を卒業後、長男として家業を継ぐべく京都調理師専門学校へ進み、京都の名門「菊乃井」で約6年間、厳しい修業を積んだ。26歳で帰郷、27歳から現在まで料理長を務めている。
 2年に1度開かれる同コンペには、菊乃井の村田吉弘代表の勧めで出場。第1回の東海北陸大会で優勝候補ながらアクシデントで優勝を逃し、第3回では準優勝に輝いたが、その後も研さんを重ねた。「タイトルにこだわったのではないが、“むぎとろ”という店も輝かせたかったし、ここまで好きにさせてくれた両親に金メダルをかけてあげたかった」と語る。
 決勝大会は今月8日、京都調理師専門学校で開催。国内外9カ所での予選を勝ち抜いた日本料理人12人が出場したもので、黒柳さんは東京予選優勝者として会場入り。決勝に備えて心身の調子も万全に整え、当日は9年前に亡くなった天国の母・千尋さんに「俺の4時間を見ててくれ」との思いで臨んだという。
 大会は「食の華やぎ」をテーマに4人前の松花堂縁高弁当を作るもので、開始時間になって初めて食材が知らされ、時間内に献立を作り、調理を行う。味や見た目はもちろん、調理中の所作や衛生面も審査対象に。あらゆる食材でシミュレーションを重ねた黒柳さんは短時間で献立を決め、アナゴとレンコンの炊き込みご飯、和牛や金時ニンジンなど使った炊き合わせ、ひな祭りを意識した酢の物のゼリー寄せなど配した「華やぐ日本の恵み~春爛漫・松花堂弁当」で見事優勝に輝いた。
 恩師でもある日本料理アカデミー理事長の菊乃井・村田代表から賞状を受け、「頑張ってきてよかった。菊乃井にも恩返しできたと思う」と振り返る黒柳さん。優勝の献立は懐石風に組み込み、コース仕立てにして店で今後提供を予定している。
 料理はもちろん、巧みな話術で相手の心を引き付ける黒柳さん。彼の元で修業したい若者は後を絶たず、遠方から進路相談のために店を訪れる人も多い。「今後はお客さまのことを考え、次の段階に向かっていきたい。そのうち新たな目標ができるかも」と語る。
(田中博子)

 国内外の優秀な料理人が日本料理の腕や知識を競う「第7回日本料理コンペティション」(NPO法人日本料理アカデミー主催)で、豊橋市松葉町の「割烹むぎとろ」(黒柳悦也代表)の専務・黒柳武志料理長(44)が優勝した。初回から挑戦を続け、7度目にして世界チャンピオンの栄冠を手に。「日本料理の良さを多くの人に広めたい。若い人たちに、あきらめずに挑戦すれば必ず夢はかなうと伝えたい」と語る。

 小坂井高校を卒業後、長男として家業を継ぐべく京都調理師専門学校へ進み、京都の名門「菊乃井」で約6年間、厳しい修業を積んだ。26歳で帰郷、27歳から現在まで料理長を務めている。
 2年に1度開かれる同コンペには、菊乃井の村田吉弘代表の勧めで出場。第1回の東海北陸大会で優勝候補ながらアクシデントで優勝を逃し、第3回では準優勝に輝いたが、その後も研さんを重ねた。「タイトルにこだわったのではないが、“むぎとろ”という店も輝かせたかったし、ここまで好きにさせてくれた両親に金メダルをかけてあげたかった」と語る。
 決勝大会は今月8日、京都調理師専門学校で開催。国内外9カ所での予選を勝ち抜いた日本料理人12人が出場したもので、黒柳さんは東京予選優勝者として会場入り。決勝に備えて心身の調子も万全に整え、当日は9年前に亡くなった天国の母・千尋さんに「俺の4時間を見ててくれ」との思いで臨んだという。
 大会は「食の華やぎ」をテーマに4人前の松花堂縁高弁当を作るもので、開始時間になって初めて食材が知らされ、時間内に献立を作り、調理を行う。味や見た目はもちろん、調理中の所作や衛生面も審査対象に。あらゆる食材でシミュレーションを重ねた黒柳さんは短時間で献立を決め、アナゴとレンコンの炊き込みご飯、和牛や金時ニンジンなど使った炊き合わせ、ひな祭りを意識した酢の物のゼリー寄せなど配した「華やぐ日本の恵み~春爛漫・松花堂弁当」で見事優勝に輝いた。
 恩師でもある日本料理アカデミー理事長の菊乃井・村田代表から賞状を受け、「頑張ってきてよかった。菊乃井にも恩返しできたと思う」と振り返る黒柳さん。優勝の献立は懐石風に組み込み、コース仕立てにして店で今後提供を予定している。
 料理はもちろん、巧みな話術で相手の心を引き付ける黒柳さん。彼の元で修業したい若者は後を絶たず、遠方から進路相談のために店を訪れる人も多い。「今後はお客さまのことを考え、次の段階に向かっていきたい。そのうち新たな目標ができるかも」と語る。
(田中博子)

日本料理大会で世界チャンピオンに輝いた黒柳さん=豊橋市松葉町の「割烹むぎとろ」で
日本料理大会で世界チャンピオンに輝いた黒柳さん=豊橋市松葉町の「割烹むぎとろ」で
優勝メダルと表彰状
優勝メダルと表彰状
優勝に輝いた「華やぐ日本の恵み ~春爛漫・松花堂弁当~」
優勝に輝いた「華やぐ日本の恵み ~春爛漫・松花堂弁当~」

カテゴリー:社会・経済

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