「幸せの四つ葉発祥の地」でクローバー刈り取り

　田原市の伊良湖岬、恋路ヶ浜にある「幸せの四つ葉のクローバー発祥の地」のクローバー（シロツメクサ）が29日、管理する伊良湖岬観光協議会によってすべて刈り取られた。新型コロナウイルス感染拡大防止策として人が密集することを避けるためで「幸せをお裾分けしようと植えているクローバーが、みんなを不幸にしてはいけない」と苦渋の決断をした。
　伊良湖町で採取した株が四つ葉以上になることから、宿泊施設や飲食店など23事業者からなる同協議会が２０１４（平成26）年10月、その遺伝子を持つ株を恋路ヶ浜駐車場横に植栽。訪れた人が、幸運を呼ぶとされる四つ葉や五つ葉などのクローバーを持ち帰られるようにした。
　例年だと、大型連休中に多くの観光客がやって来る。今年は、ウイルス感染拡大防止で外出や移動の自粛を呼び掛けてきた。それでも先週末は、県内外から大勢の人が訪れ、１８０台ほど止められる駐車場は満車になったという。27日から駐車場を封鎖し、「幸せの鐘」も鳴らせないようにした。
　クローバーは今、一番の盛りとなった。直径２㍍の円形花壇周りに人が集まることが考えられるため、29日、協議会メンバー４人がハサミを手に、四つ葉部分を刈り取っていった。
　清田茂之会長（５７）は「復活できるよう毎日世話を続けていくので、終息した際には、伊良湖岬に遊びに来てほしい」と願っている。
（飯塚雪）