布マスクの配達始まる

　政府が全世帯向けに２枚ずつ配る布マスクの配達が14日、県内で始まった。初日は名古屋市西区の名古屋西郵便局から、市内向けに届いた２万８８００件の一部が配られた。県内の配達先は３５５万件あるといい、行き渡るまではまだ時間がかかりそうだ。
　政府が４月１日に発表した新型コロナウイルス対策事業の一つ。薬局などの店頭から使い捨てマスクが消えたため、布製を各世帯に届けることになった。
　発表のタイミングから、政府に批判的な立場の人は「エープリルフールかと思った」と批判した。安倍晋三政権の経済再生政策をもじって「アベノマスク」とやゆする声もある。
　さらに、マスクの発注先の公表を巡って混乱があったほか、一部製品に汚れや異物の混入があったため、品質管理面からも疑問の声が出た。一方で、マスクを手作りする材料も不足していることから、歓迎する向きもある。
　緊急事態宣言が３９県で解除されることになったこの日、前日までに届いたマスクを郵便局スタッフが仕分けし、バイクに積み込んで配達先のポストに入れていった。西郵便局の担当者は「できる限り速やかに、間違いの無いよう、お客様の元に届けたい」とコメントした。同局管内には12万６千カ所の配達先があるという。配達先は「郵便物が届く住所」として郵便局に登録されている場所なので、家庭だけでなく、事業所などのポストにも投函されることがある。
　日本郵便東海支社によると、14日には名古屋市内の３郵便局、岐阜県内の２郵便局にそれぞれ２万８８００件が新たに到着する。現在、特定警戒都道府県を中心に厚生労働省が発送作業をしているため、その他のエリアの郵便局に届くのはまだ先になる見通しだ。東海支社は「今後、どこにどれだけ届くのかは分からない」としている。
　マスク施策の問い合わせは厚労省の「布マスクの全戸配布に関する電話相談窓口」（０１２０・５５１・２９９）へ。全日午前９時～午後６時。厚労省のホームページには、Ｑ＆Ａも掲載＝ＱＲコード＝されているので、確認してからの問い合わせを呼び掛けている。
（山田一晶）