手作りマスクが定着

　新型コロナウイルスの影響で、使い捨てマスクが品薄になって久しい。最近徐々にマスク輸入量が増えているが、価格は高騰し、一般には入手しにくい状態が続く。そこで、主婦層を中心に広がったのが手作りマスク。アクセサリー感覚の華やかなものも目立つようになり、しっかり定着したようだ。
　愛知県は緊急事態宣言が解除されたとはいえ、しばらくはマスク着用が勧められている。ただ、ちょっとした外出でまで、貴重な使い捨てマスクを消費してしまうのは惜しい。
　そこで手作りマスクだ。その形状は大きく分けて、平型、プリーツ型、立体型の３種類がある。平型に改良を加えた折り返し付き立体マスクもよく見られるようになってきた。
　豊川市萩町在住の小学校教諭、上林由美さん（53）は「友人からいただいたマスクがすてきだったので、型紙をもらって作ってみました。今では友人と布を交換し合ったり、作品を見せ合ったりするのが楽しみになりました」と笑顔で話す。
　東京都立川市在住の英会話講師、シャプルズ・ベンさん（41）は「日本に来て15年たちますが、新型コロナ以前はマスクを一度も着けたことがなかったです。自分がデザインしたマスクを妻の真菜さんと一緒に作りました」と、マスク作りが気に入っている様子だった。

ミシン品薄、修理の依頼続々

　マスクを作るのにも役立つミシンは、「巣ごもり」の人たちによる需要が急速に高まった影響で、品薄になっている。
　豊橋市前田町のミシンの販売、修理業「大羽ミシン」を営む代表取締役の大羽弘志さん（45）。ミシンは５～８万円を中心に売れているという。10万円以下のものは入荷の見通しが立たないようだ。
　大羽さんは「コロナによる外出自粛で３月半ばから、ミシンを楽しむ人が増えてきた。１台あれば完結するので、親子の絆を深めるのに役立ててほしい」と話した。
　また、同市西小池町の「愛知ミシン」でも品切れが続いているという。その一方で、修理依頼はコロナ前の約３倍となり、全国から押し寄せている。
　大忙しの日が続いているという店主は「押入れなどで眠っていたミシンを出してきて、使う人が増えている。修理や部品交換をしながら長く使ってほしい」と話した。
（小島幸子）