少しずつ日常へ

県内に出ていた国の緊急事態宣言が解除されて最初の日曜となった17日、名古屋駅前は、１カ月前よりわずかながら人の動きが戻っているように感じた。
　４月11日の土曜午後に訪ねた際は、待ち合わせ場所としていつも混雑する「金時計」前には数人しかいなかった。大きなスーツケースを持った外国人旅行客が行き交っていたコンコースも、人通りが絶えた状態だった。また、地下街の店は閉店しており、ＪＲや名鉄と地下鉄の乗り換え客らがわずかに歩いている程度だった。
　17日午後、再び訪ねた。駅の近くの飲食店の中には感染防止策を講じた上で、再開しているところもあった。
　駅コンコースのスポット「金時計」の前には、待ち合わせをしている人はいなかったものの、近くを縦横に行き交う人の数は、少しだが、増えていた。大きなキャリーバッグを持って歩く人もわずかながらいた。
　駅直結のＪＲ名古屋高島屋はこれまで、食料品売場のみを開いていたが、20日からは全館を再開するという。ドアの前には案内の張り紙があった。
　地下街はまだ、閉まっている店が多い。シャッターに再開の案内もなかった。ただ、テークアウトできるファーストフード店は、数人の行列ができていたほか、ドラッグストアでは入荷した消毒液の前に人だかりがあった。
　県の緊急事態宣言は31日まで続く。引き続き外出自粛は要請されている。だが少しずつ、日常に戻りつつあるようだった。
（山田一晶）