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給付金の申請書類 チェック欄に注意

豊橋市の特別定額給付金申請書(一部)
豊橋市の特別定額給付金申請書(一部)
新城市のHP上にある見本
新城市のHP上にある見本
名古屋市の申請書の見本。「いらない」と書かれている
名古屋市の申請書の見本。「いらない」と書かれている

 一律1人10万円の特別定額給付金の申請書類に「受給を希望しない」という欄がある。よく読まずにチェックしてしまう人もいるようだ。東三河でも、既に郵便で返送した人もいるはずだが、間違えなかったでしょうか? これからの人は注意が必要だ。
 郵送申請書(裏表)の表には、「給付対象者」の欄がある。同一世帯の給付対象者全員の名前と続柄、生年月日が書かれている。しかし、問題はその右だ。チェックマークを入れる四角形が並んでいる。
 豊橋市などの場合「給付金の受給を希望されない方はチェック欄(□)に×印をご記入ください」とある。
 同じ様式の書類を作った他の自治体で、この字をよく読まずに「受給を希望する方」の確認だと勘違いして、誤って「×」印を記入してしまうケースが出ているというのだ。
 豊橋市の書類の注意書きは、「字が多い」と思った。結果として、字が小くなっている。急いで読み飛ばし、思わず家族全員分に「×」やチェックマークを入れてしまいそうだ。その下には「受取方法(希望する受取方法(下記のA又はB)のチェック欄(□)に『✔』を入れて、必要事項をご記入ください。)とあって、こちらは「希望を選ぶ」ためのチェック欄になっている。上と下でチェックによる結果が違っている。
 申請書は総務省の見本を基に各自治体が作った。見本では、受給の希望者は、名前の誤りなど修正がなければ記入の必要がない。同一世帯の中で辞退者を個別に設定できるようにチェック欄が設けられたという。
 特別定額給付金は、自治体の郵送受け付け開始から3カ月の申請期限を過ぎると、受給できなくなる。現状の様式は、辞退者の意思確認ができるので、申請漏れを確認する自治体の手間を省く狙いもあるという。
 豊橋市の担当者によると、「希望しない」にチェックがあった場合、電話で間違いではないことを確認するそうだ。それこそ手間のような気がする。そもそも、この小さな「□」の中に「×」を書かせる必要があるのだろうか。「大きく×」でもよかったのではないか。
 新城市も同様だが、ホームページ上で見本を掲載し、さらに「受給を希望されない方のみ記入」と緑色で書き込んで目立つように工夫していた。
 では、県内の他の自治体はどうか。
 名古屋市もチェック欄があるが、その横に「いらない」と、平仮名で単純明快に書かれていた。これならまず、間違えない。
 東海市は「受給を希望する」「不要」というチェック欄がそれぞれにある。さらに、見本には丁寧に「記入が無い場合は『希望する』として取り扱います」とある。「希望していないのに勝手に10万円を振り込むな」と怒る人は、まずいまい。そんな人は書類を出さないだろう。そして、受給しようとする人が書類を読んだ時、二つの「□」が並んでいれば、どちらを選ぼうかと、もっと慎重に読み直すのではないだろうか。
 「より間違いが生まれにくい」書類を作り、間違っていても容易に対処できる対策を取ることは、返送されてきた書類を受け取り、点検する自治体職員の負担軽減にもつながる。さまざまなことを「見える化」したコロナ禍。今回の書類も、もうひと工夫の余地があったのではないか。
(山田一晶)

 一律1人10万円の特別定額給付金の申請書類に「受給を希望しない」という欄がある。よく読まずにチェックしてしまう人もいるようだ。東三河でも、既に郵便で返送した人もいるはずだが、間違えなかったでしょうか? これからの人は注意が必要だ。
 郵送申請書(裏表)の表には、「給付対象者」の欄がある。同一世帯の給付対象者全員の名前と続柄、生年月日が書かれている。しかし、問題はその右だ。チェックマークを入れる四角形が並んでいる。
 豊橋市などの場合「給付金の受給を希望されない方はチェック欄(□)に×印をご記入ください」とある。
 同じ様式の書類を作った他の自治体で、この字をよく読まずに「受給を希望する方」の確認だと勘違いして、誤って「×」印を記入してしまうケースが出ているというのだ。
 豊橋市の書類の注意書きは、「字が多い」と思った。結果として、字が小くなっている。急いで読み飛ばし、思わず家族全員分に「×」やチェックマークを入れてしまいそうだ。その下には「受取方法(希望する受取方法(下記のA又はB)のチェック欄(□)に『✔』を入れて、必要事項をご記入ください。)とあって、こちらは「希望を選ぶ」ためのチェック欄になっている。上と下でチェックによる結果が違っている。
 申請書は総務省の見本を基に各自治体が作った。見本では、受給の希望者は、名前の誤りなど修正がなければ記入の必要がない。同一世帯の中で辞退者を個別に設定できるようにチェック欄が設けられたという。
 特別定額給付金は、自治体の郵送受け付け開始から3カ月の申請期限を過ぎると、受給できなくなる。現状の様式は、辞退者の意思確認ができるので、申請漏れを確認する自治体の手間を省く狙いもあるという。
 豊橋市の担当者によると、「希望しない」にチェックがあった場合、電話で間違いではないことを確認するそうだ。それこそ手間のような気がする。そもそも、この小さな「□」の中に「×」を書かせる必要があるのだろうか。「大きく×」でもよかったのではないか。
 新城市も同様だが、ホームページ上で見本を掲載し、さらに「受給を希望されない方のみ記入」と緑色で書き込んで目立つように工夫していた。
 では、県内の他の自治体はどうか。
 名古屋市もチェック欄があるが、その横に「いらない」と、平仮名で単純明快に書かれていた。これならまず、間違えない。
 東海市は「受給を希望する」「不要」というチェック欄がそれぞれにある。さらに、見本には丁寧に「記入が無い場合は『希望する』として取り扱います」とある。「希望していないのに勝手に10万円を振り込むな」と怒る人は、まずいまい。そんな人は書類を出さないだろう。そして、受給しようとする人が書類を読んだ時、二つの「□」が並んでいれば、どちらを選ぼうかと、もっと慎重に読み直すのではないだろうか。
 「より間違いが生まれにくい」書類を作り、間違っていても容易に対処できる対策を取ることは、返送されてきた書類を受け取り、点検する自治体職員の負担軽減にもつながる。さまざまなことを「見える化」したコロナ禍。今回の書類も、もうひと工夫の余地があったのではないか。
(山田一晶)

豊橋市の特別定額給付金申請書(一部)
豊橋市の特別定額給付金申請書(一部)
新城市のHP上にある見本
新城市のHP上にある見本
名古屋市の申請書の見本。「いらない」と書かれている
名古屋市の申請書の見本。「いらない」と書かれている

カテゴリー:社会・経済 / 政治・行政

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