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蒲郡署新庁舎が開庁

　蒲郡署は、５月11日に鉄筋コンクリート造り６階建て（延べ約３８８８平方㍍）の新庁舎が開庁した。県内45署のうち、最新の建物になった。旧庁舎に比べ約２・３倍の大きさになる。
　同署は１９４８年に旧警察法により自治体警察の蒲郡町警察署として発足した。54年、市制施行に伴い、蒲郡町警察と三谷町警察が統合して蒲郡市警察に。同年７月に現行の警察法が施行され、蒲郡警察署となった。旧庁舎は１９６８年に建設されており、老朽化が進んでいた。
　耐震補強はされていたが、取調室の不足や交通窓口の待合場所が狭いこと、女性用トイレが不十分などの課題があった。敷地西側には三河湾に注ぐ二級河川の落合川が流れており、南海トラフ巨大地震が発生した場合、津波が遡上する恐れがある。そうなると１階に留置場など主要の施設が集中しているため、防災面でも懸念があった。
　２０１４年８月に蒲郡市の稲葉正吉市長（当時）らが県に建て替えを要望していた。
　完成した新蒲郡署の特徴は、大規模災害や水害に備えていること。72時間連続稼働可能な非常用発電機があり、上水道が止まっても４日分の水を確保できるなど、発災後の被災地の拠点となる機能を持つ。
　また利便性にも配慮した。１階が受付窓口と警務課。２階に交通課などがあり、市民との接点となる課を集約した。
　さらに１階には授乳室を設置、部屋の中には赤ちゃんのおむつ交換ができるベビーベットやミルクも作れるお湯が出るミニキッチン、横になれる長いソファがあるなど、女性の来庁者に配慮した。
　建物自体が環境への負荷を低くしている。太陽光を室内に取り入れるひさしは、直射日光をさえぎり、光熱費を抑える。壁の高断熱化なども進め、環境に配慮した設計になっている。
　新庁舎の初代署長となった小池勝孝氏は「開庁を署長として迎えるのは名誉なこと。これを改善や改革のチャンスだと思いたい。６階建ての署の上からは、市内の遠くまで見渡せる。これによって、市民の安全を守っていく。署員一同、新生蒲郡署として取り組んでいきたい」と話した。
　旧庁舎を取り壊し駐車場が整備されてから、すべての新築作業が完成する。
【林大二朗】