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食事をサポートする枕 宝陵高生徒が開発

「嚥下障害のある患者さんにも楽しく食事をとってほしい」と枕を開発した県立宝陵高校の生徒=豊橋市内で
「嚥下障害のある患者さんにも楽しく食事をとってほしい」と枕を開発した県立宝陵高校の生徒=豊橋市内で

 県立宝陵高校(豊川市)の生徒たちが、飲み込む力が低下した患者らの食事をサポートする枕を開発した。
看護師の卵たちが現場実習での経験を基に考案。「嚥下(えんげ)障害のある人も食事を気兼ねなく楽しんで、おなかいっぱい食べてほしい」と話している。
 「あごひいていただき枕」と名付けられた枕は、平らな本体に首の角度を6段階で調整するパッドを装備。顎を引いた状態が維持できるため、首の筋力が低下した高齢者や患者の顎が上を向くことなく、誤嚥を防ぐ。
 開発したのは、専攻科1年の後藤舞耶さん(19)と平野愛加里さん(19)、鈴木菜央さん(19)、山本果穂さん(19)の4人。
 現場実習では食事の際、枕やタオルを患者の頭と首の後ろに挟みこみ、角度を調整していた。しかし、姿勢が定まらず、疲労も加わり、食べることを断念する患者もいた。食事サポートする器具があれば食事が楽しくなるのでは―。  
 そう考えた4人は枕のアイデアを形にして2015(平成27)年度の「高校生技術アイデア賞」(豊橋市主催)に応募し、優秀賞を獲得。その後、約1年間、商品開発に取り組んでいた。
 協力したのは、自動車の内装部品メーカー「スギウラクラフト」(本社・幸田町)。自社の持つ調整可能な自動車シートの技術を生かした。初めて枕を製造した同社の杉浦武史社長(54)は「サイズや形状など彼女たちの意見を尊重した」と話す。
 4人は、改良を重ねる中で病院や福祉施設など計4カ所でモニター調査を実施し、使い心地を追求。
 患者の頭が横に倒れないように、頭の大きさに合わせ微調整できるパッドや、顔の両側に取り外し可能な壁を付けた。本体素材は高反発で型崩れしにくい一方で、通気性が良い軽量な繊維クッション素材を使った。 
 同校初の商品化に平野さんは「自分たちが考えたものが商品化されて感動しています」と喜んでいる。
 4月から一般発売する予定で、本体価格は1万円ほど。
(飯塚雪)

 県立宝陵高校(豊川市)の生徒たちが、飲み込む力が低下した患者らの食事をサポートする枕を開発した。
看護師の卵たちが現場実習での経験を基に考案。「嚥下(えんげ)障害のある人も食事を気兼ねなく楽しんで、おなかいっぱい食べてほしい」と話している。
 「あごひいていただき枕」と名付けられた枕は、平らな本体に首の角度を6段階で調整するパッドを装備。顎を引いた状態が維持できるため、首の筋力が低下した高齢者や患者の顎が上を向くことなく、誤嚥を防ぐ。
 開発したのは、専攻科1年の後藤舞耶さん(19)と平野愛加里さん(19)、鈴木菜央さん(19)、山本果穂さん(19)の4人。
 現場実習では食事の際、枕やタオルを患者の頭と首の後ろに挟みこみ、角度を調整していた。しかし、姿勢が定まらず、疲労も加わり、食べることを断念する患者もいた。食事サポートする器具があれば食事が楽しくなるのでは―。  
 そう考えた4人は枕のアイデアを形にして2015(平成27)年度の「高校生技術アイデア賞」(豊橋市主催)に応募し、優秀賞を獲得。その後、約1年間、商品開発に取り組んでいた。
 協力したのは、自動車の内装部品メーカー「スギウラクラフト」(本社・幸田町)。自社の持つ調整可能な自動車シートの技術を生かした。初めて枕を製造した同社の杉浦武史社長(54)は「サイズや形状など彼女たちの意見を尊重した」と話す。
 4人は、改良を重ねる中で病院や福祉施設など計4カ所でモニター調査を実施し、使い心地を追求。
 患者の頭が横に倒れないように、頭の大きさに合わせ微調整できるパッドや、顔の両側に取り外し可能な壁を付けた。本体素材は高反発で型崩れしにくい一方で、通気性が良い軽量な繊維クッション素材を使った。 
 同校初の商品化に平野さんは「自分たちが考えたものが商品化されて感動しています」と喜んでいる。
 4月から一般発売する予定で、本体価格は1万円ほど。
(飯塚雪)

「嚥下障害のある患者さんにも楽しく食事をとってほしい」と枕を開発した県立宝陵高校の生徒=豊橋市内で
「嚥下障害のある患者さんにも楽しく食事をとってほしい」と枕を開発した県立宝陵高校の生徒=豊橋市内で

カテゴリー:社会・経済 / 地域・教育

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