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そこに刻まれた轍 ほのくに幻影物語

カテゴリー:特集

三河湾を遠方に、コンクリートの土台が残る山頂駅跡地=三ヶ根山で
三河湾を遠方に、コンクリートの土台が残る山頂駅跡地=三ヶ根山で
山麓駅跡地にもコンクリートが残る=蒲郡市金平町で
山麓駅跡地にもコンクリートが残る=蒲郡市金平町で
山麓駅跡地近くの土産店跡=形原温泉で
山麓駅跡地近くの土産店跡=形原温泉で

⑬三ヶ根山ロープウェイ

 連載5回目で「三谷温泉ロープウェイ」を紹介したが、蒲郡市にはもう一つロープウエーがあった。形原温泉と三ヶ根山(標高326㍍)山頂を結んだ「三ヶ根山ロープウェイ」だ。観光の街を支えた遺産の足跡が、今も残っている。

 三谷温泉ロープウェイより前年の1957(昭和32)年開業。6年後には山頂駅に回転展望台が完成した。最大乗車人数は21人。観光客だけでなく、ゴンドラで「空中結婚式」が行われるなど市民にも広く親しまれた。
 現在、山頂駅跡地には駅舎の土台となったコンクリートが残され、三ヶ根山スカイライン近くの登山道から訪れることができる。三河湾を眼下に、運行当時の景色を堪能できる。形原温泉にあった山麓駅跡地にもコンクリートの土台が残る。
 三ヶ根山スカイラインの開通で利用客も減少し、1975年の三谷温泉ロープウェイ廃止とほぼ時を同じくして翌76年に廃業した。形原温泉の発展をも支えた。
 山麓駅跡地近くで今も営業している個室ジンギスカン料理「山麓園」は、運行当時は土産店も営んでいた。当時を知る同店の藤井陽子さんは「週末になれば、今では考えられないほどたくさんの人が来た」と振り返る。廃止された時、名残を惜しんで店の窓にゴンドラのイラストを描き残した。
 温泉街はかつてのにぎやかな光景はみられないが、新たな店舗を営む人や、昔を懐かしんで訪れる人もいる。数年前には山麓駅跡地周辺で音楽イベントが開かれるなど、若者によって新たな文化が発信された地になった。
【由本裕貴】

⑬三ヶ根山ロープウェイ

 連載5回目で「三谷温泉ロープウェイ」を紹介したが、蒲郡市にはもう一つロープウエーがあった。形原温泉と三ヶ根山(標高326㍍)山頂を結んだ「三ヶ根山ロープウェイ」だ。観光の街を支えた遺産の足跡が、今も残っている。

 三谷温泉ロープウェイより前年の1957(昭和32)年開業。6年後には山頂駅に回転展望台が完成した。最大乗車人数は21人。観光客だけでなく、ゴンドラで「空中結婚式」が行われるなど市民にも広く親しまれた。
 現在、山頂駅跡地には駅舎の土台となったコンクリートが残され、三ヶ根山スカイライン近くの登山道から訪れることができる。三河湾を眼下に、運行当時の景色を堪能できる。形原温泉にあった山麓駅跡地にもコンクリートの土台が残る。
 三ヶ根山スカイラインの開通で利用客も減少し、1975年の三谷温泉ロープウェイ廃止とほぼ時を同じくして翌76年に廃業した。形原温泉の発展をも支えた。
 山麓駅跡地近くで今も営業している個室ジンギスカン料理「山麓園」は、運行当時は土産店も営んでいた。当時を知る同店の藤井陽子さんは「週末になれば、今では考えられないほどたくさんの人が来た」と振り返る。廃止された時、名残を惜しんで店の窓にゴンドラのイラストを描き残した。
 温泉街はかつてのにぎやかな光景はみられないが、新たな店舗を営む人や、昔を懐かしんで訪れる人もいる。数年前には山麓駅跡地周辺で音楽イベントが開かれるなど、若者によって新たな文化が発信された地になった。
【由本裕貴】

三河湾を遠方に、コンクリートの土台が残る山頂駅跡地=三ヶ根山で
三河湾を遠方に、コンクリートの土台が残る山頂駅跡地=三ヶ根山で
山麓駅跡地にもコンクリートが残る=蒲郡市金平町で
山麓駅跡地にもコンクリートが残る=蒲郡市金平町で
山麓駅跡地近くの土産店跡=形原温泉で
山麓駅跡地近くの土産店跡=形原温泉で

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