豊橋南部で民家の屋根など突風被害

　８日午前７時すぎ、豊橋市の南部で突風が発生し、住宅の屋根が飛ばされるなどの被害が出た。けが人の情報は入っていない。竜巻が起きた可能性もあり、名古屋地方気象台は調査官を現地に派遣し、被害状況などを調べた。
　市によると、午前７時28分頃、同市若松町から１１９番が突風で工場のプレートが壊れたなどとする入った。また同８時20分頃には、西へ約１㌔離れた東大清水町から「何かが当たって家の壁に穴が開いた」などという１１９番があった。消防で調べたところ、若松町では工場壁面のトタンがはがれたほか、付近の鶏舎やビニールハウスが壊れるなどしていた。また東大清水町では、民家の屋根が飛ばされたり、家の外壁が損傷するなどの被害が出ていた。
　市のドローン飛行隊が現地を上空から調査した。
　県東部では、竜巻注意情報が出ていた。気象台のアメダス豊橋観測所（神野新田町）では午前７時３分に風速10・５㍍を観測していた。
　この日は岐阜県八百津町や三重県桑名市、宇都宮市でも午前中に突風が吹き、家屋などが壊れるなどした。

激しい風雨で倒木も

　「ドーン」という音がした。ものすごい風と雨だった－。豊橋市東大清水町と若松町で自宅などが被災した人たちは、口々に竜巻とみられる突風のすさまじさを証言した。
　東大清水町の岡本四郎さん（76）は妻と一緒に自宅にいて、大きな音に気づいた。「ものすごい風だった」。自宅西側の壁はあちこちがへこみ、西側の建物の、はがれた屋根が壁にぶつかった痕跡があった。岡本さんの屋根瓦も一部が飛ばされた。西側の畑は高さ１・５㍍の以上に育ったトウモロコシが、幅15㍍ほどにわたって北東方向になぎ倒されていた。付近の住宅にとめてあった乗用車のリアガラスが割れていた。
　１㌔離れた若松町では民家の敷地にある木造倉庫が半壊した。土壁がはがれ、トタンぶきの屋根が飛んでいた。近くの高さ約５㍍の桜の木と、約４㍍のサザンカの木が倒れた。その枝は10㍍東の電線にひっかかっていた。この家の男性（65）は「風と雨がすごく、外の景色が見えないほどだった」と振り返った。
　町内の他の人たちも、物置のドアが開かなくなるなどしているという。
【安藤聡】