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「神野新田物語」来年8月に第2話公演

神野新田物語第2話の新日程をPRする「ひとすじの会」の宮下さん、杉浦さん、理事の木所和代さん(左から)=東愛知新聞社で
神野新田物語第2話の新日程をPRする「ひとすじの会」の宮下さん、杉浦さん、理事の木所和代さん(左から)=東愛知新聞社で
米作りが続く大崎町の水田
米作りが続く大崎町の水田
「神野新田物語」来年8月に第2話公演

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で上演が延期されていた歴史群像劇「神野新田物語」の第2話「開拓の時代」の公演日程が来年8月21、22の両日に正式決定した。舞台は同じ豊橋市の穂の国とよはし芸術劇場プラット。NPO法人「ひとすじの会」の宮下孫太朗理事長は「コロナで滅入っている空気をほぐしたい」と、観劇を呼びかけている。
 当初は今月4、5の両日に上演予定で、一般公募した出演者約60人が決定。脚本も完成し、稽古も8割は済ませていた。しかしコロナの影響でそれ以上の準備ができなくなり、上演の延期が決まっていた。
 その後、脚本の杉浦博人さんらの呼びかけで、大崎町の休耕田5㌃を借り、出演者らが明治末から大正期の農具を使った米作りに取り組み始めた。土の匂いを感じながら、役作りに生かそうという狙いだ。5月に田植えをし、現在は定期的に除草作業や農具の手入れなどをしている。無農薬栽培のコシヒカリの稲穂は、9月に鎌を使って刈り取り、昔の脱穀機を使って精米し、おにぎりにして振る舞う予定だ。
 宮下さんによると、8月に記者会見して、出演者を再募集する。一般市民が演じるため、1年間の延期で出演が難しくなる人もいるためだ。新しいメンバーの加入に合わせて、杉浦さんが脚本を書き直すという。
 2018年12月に公演があった第1話の時代は明治20年。開拓に着手した神野家の人々を核とする群像劇だ。城壁のような大堤防を築き、土地を造っていく様子を、小学生から80代の人まで市民60人が熱演した。
 第2話は1896(明治29)年~1935(昭和10)年に時代が移る。土地はできたが痩せた砂地で、入植者の努力はなかなか報われない。そこで、豊橋に新設された陸軍第15師団と掛け合い軍馬の厩肥(きゅうひ)を手に入れ、肥えた土地に改良していく。人々の生活が落ち着き始めたころ、世界恐慌が始まり米価は暴落、再び試練が立ちはだかる、というシナリオ。「15師団」「軍馬」は、NHK連続テレビ小説「エール」のヒロインにつながるキーワードだ。
 第2話について宮下さんは「新規まき直し」と表現した。コロナの影響で、現状のままなら観客席も社会的距離を取って、空席を作りながら人を入れなければならない。しかし「役者は、満席の観客が見守る中で磨かれる。来年までに、なんとかしてコロナを拭い去り、完全な形で舞台を成功させたい」と意気込んでいる。
 現在、ひとすじの会は、第1話の舞台を動画共有サイト「YouTube」のチャンネルで公開中=QRコード。来年までに、自宅でおさらいしておくのもいいかもしれない。また11月22日には、豊橋駅東口の広場で、舞台本番で使う大道具を組み立てるパフォーマンスも計画している。幅12㍍、奥行き5㍍、高さ2・5㍍のセットで、公演をPRする。
 公演は1日2部制。チケットを購入済みの人は、同じ曜日の同じ時間のものとしてそのまま利用できる。新たに購入する場合は、プラットチケットセンター(0532・39・3090)へ。前売りはS席4000円。A席大人2500円、小中高生1000円。
【山田一晶】

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で上演が延期されていた歴史群像劇「神野新田物語」の第2話「開拓の時代」の公演日程が来年8月21、22の両日に正式決定した。舞台は同じ豊橋市の穂の国とよはし芸術劇場プラット。NPO法人「ひとすじの会」の宮下孫太朗理事長は「コロナで滅入っている空気をほぐしたい」と、観劇を呼びかけている。
 当初は今月4、5の両日に上演予定で、一般公募した出演者約60人が決定。脚本も完成し、稽古も8割は済ませていた。しかしコロナの影響でそれ以上の準備ができなくなり、上演の延期が決まっていた。
 その後、脚本の杉浦博人さんらの呼びかけで、大崎町の休耕田5㌃を借り、出演者らが明治末から大正期の農具を使った米作りに取り組み始めた。土の匂いを感じながら、役作りに生かそうという狙いだ。5月に田植えをし、現在は定期的に除草作業や農具の手入れなどをしている。無農薬栽培のコシヒカリの稲穂は、9月に鎌を使って刈り取り、昔の脱穀機を使って精米し、おにぎりにして振る舞う予定だ。
 宮下さんによると、8月に記者会見して、出演者を再募集する。一般市民が演じるため、1年間の延期で出演が難しくなる人もいるためだ。新しいメンバーの加入に合わせて、杉浦さんが脚本を書き直すという。
 2018年12月に公演があった第1話の時代は明治20年。開拓に着手した神野家の人々を核とする群像劇だ。城壁のような大堤防を築き、土地を造っていく様子を、小学生から80代の人まで市民60人が熱演した。
 第2話は1896(明治29)年~1935(昭和10)年に時代が移る。土地はできたが痩せた砂地で、入植者の努力はなかなか報われない。そこで、豊橋に新設された陸軍第15師団と掛け合い軍馬の厩肥(きゅうひ)を手に入れ、肥えた土地に改良していく。人々の生活が落ち着き始めたころ、世界恐慌が始まり米価は暴落、再び試練が立ちはだかる、というシナリオ。「15師団」「軍馬」は、NHK連続テレビ小説「エール」のヒロインにつながるキーワードだ。
 第2話について宮下さんは「新規まき直し」と表現した。コロナの影響で、現状のままなら観客席も社会的距離を取って、空席を作りながら人を入れなければならない。しかし「役者は、満席の観客が見守る中で磨かれる。来年までに、なんとかしてコロナを拭い去り、完全な形で舞台を成功させたい」と意気込んでいる。
 現在、ひとすじの会は、第1話の舞台を動画共有サイト「YouTube」のチャンネルで公開中=QRコード。来年までに、自宅でおさらいしておくのもいいかもしれない。また11月22日には、豊橋駅東口の広場で、舞台本番で使う大道具を組み立てるパフォーマンスも計画している。幅12㍍、奥行き5㍍、高さ2・5㍍のセットで、公演をPRする。
 公演は1日2部制。チケットを購入済みの人は、同じ曜日の同じ時間のものとしてそのまま利用できる。新たに購入する場合は、プラットチケットセンター(0532・39・3090)へ。前売りはS席4000円。A席大人2500円、小中高生1000円。
【山田一晶】

神野新田物語第2話の新日程をPRする「ひとすじの会」の宮下さん、杉浦さん、理事の木所和代さん(左から)=東愛知新聞社で
神野新田物語第2話の新日程をPRする「ひとすじの会」の宮下さん、杉浦さん、理事の木所和代さん(左から)=東愛知新聞社で
米作りが続く大崎町の水田
米作りが続く大崎町の水田
「神野新田物語」来年8月に第2話公演

カテゴリー:社会・経済

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