浜松で新型コロナのクラスター発生

　豊橋市に接する浜松市の中心部で、新型コロナウイルスのクラスター（感染者集団）が発生した。市は中区の中心街にある飲食店２軒が舞台と判断。ラウンジバー「ブリリア」と手品ショーをしながら客に飲食させるマジックバー「手品家浜松店」の２店名の公表に踏み切った。25日の発表では両店に関連する感染者の濃厚接触者で、10代から50代までの男女計30人が陽性と判明した。26日に対策会議を開き、記者会見して市民に警戒を呼び掛けた。
　同市の感染状況は４月８日に７例目を発表した後、６月29日まで２カ月近く途絶えていた。ところが今月21日に30代男性の感染が確認された後、患者が急増。22日に３人、23、24の両日に５人の患者が確認されていた。市は24日までにブリリアの従業員と客の計６人、手品家の４人が感染していたと発表し、同日に１０６人のＰＣＲ検査（遺伝子検査）を実施していた。
　この結果、25日発表の市内の感染者は一気に30人となった。ブリリアの関係者が29人、手品家が１人。内訳は20歳未満２人、20代10人、30代と40代が各７人、50代が４人で、男性18人、女性12人。地域別では両店のある中区で８人、東区で８人、南区６人、浜北区４人、北区３人、市外１人となっている。
　店の従業員やその同居者、知人、友人、来店客、取引先業者だったという。店名の公表に踏み切った理由について市は「市民の不安を払拭（ふっしょく）し、業界全体の風評被害を防ぐことを考えた」と説明している。両店に由来する濃厚接触者の把握と、ＰＣＲ検査は、両店とも積極的に協力しているとしている。
　鈴木康友市長は25日午前、自身のフェイスブックで、クラスターが発生したことを報告した。そのうえで「コロナの感染拡大を抑えてきた浜松市ですが、ついにキャバクラ他２店でクラスター感染が発生してしまいました。市外で感染した人が、店内にウィルスを持ち込み感染を拡大させたものと思われます」と指摘。続けて「ここで封じ込めないと市中感染が広がり、抑えが効かなくなります。ＰＣＲ検査を徹底して、感染者の増加をストップしたいと思います」などとメッセージを送った。
　両店ともＪＲ浜松駅から１㌔以内の中心街にある飲食店。豊橋など東三河からもアクセスできる場所にある。
【安藤聡】