県独自の「緊急事態宣言」発出

　大村秀章知事は６日、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、県全域に県独自の緊急事態宣言を出した。これに先立つコロナ対策本部会議で正式決定した。また、この日に確認された陽性患者は少なくとも１４０人だった。
　緊急事態宣言期間は、同日からお盆休みを含む24日までの19日間。感染症の第２波は、東京などから大都市圏域へと拡大し、県でも７月15日に16人の新規感染者を出して以来、急激な増加を続けている。同31日には、１日の患者が過去最多の１９３人に達した。大村知事は「極めて厳しい状況が続いている」と指摘、県民や事業者に宣言期間中の不要不急の行動自粛と、県をまたぐ不要不急の移動自粛、感染防止対策の徹底を呼び掛けた。
　その具体例として、お盆休み期間中は、５～６人以上の大人数での会食や宴会の自粛、お盆休み期間中の帰省については家族ともう一度再検討することなどを挙げた。
　また、名古屋市中区の栄・錦地区での接待を伴う飲食店などに要請している営業時間短縮や休業についても、感染防止対策の一つとして徹底するよう改めて求めた。
　さらに、名古屋市の名古屋テレビ塔とオアシス21は現在、オレンジ色（厳重警戒）でライトアップされているが、６日夜から緊急事態宣言に合わせてレッドになった。期間は24日まで。
　一方、６日に判明した１４７人の地域別内訳は、名古屋市が67人でその他が80人。東三河地方では豊橋市４人、田原市１人。豊橋、田原の両市で各１人が死亡した。近隣では、豊田市５人、岡崎市７人。
　年齢別では20代が46人で31・２％。１１０人の感染者が出た７月29日は、20代は51人で46・３％を占めていた。この１週間でフェーズが変わりつつある。30代が26人、40代が17人、10代が12人など。
　７月１日以降今月５日までの累計患者は２０１０人になった。30代以下は68・２％を占めている。感染経路不明者は１１８７人で59・１％になった。
　８月１～５日の累計患者は７３３人。このペースでは、あと１週間で７月１カ月間の感染者１２７７人を上回る。重症・中等症の患者は44人で割合は６％。ただ、５日には死後に感染が確認された例が２件あった。重症化しやすい高齢者に感染が拡大すれば、このような事例が続く可能性もある。
　５日現在の入院患者は２３７人で入院を調整中が63人。自宅療養中は１０７５人となった。
（後藤康之）