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猫シェルターに100匹が暮らす 豊橋「ハーツ」の取り組み

おなかをなでるように要求する猫=いずれもハーツのシェルターで
おなかをなでるように要求する猫=いずれもハーツのシェルターで
慣れた猫は高いところから人間を見下ろしている
慣れた猫は高いところから人間を見下ろしている
部屋に入ると集まってきた。中央の黒猫は右後ろ脚がない
部屋に入ると集まってきた。中央の黒猫は右後ろ脚がない

 東三河は、野良猫が多いのだという。無責任な飼い主によって捨てられた行く末だ。外で生まれた猫の8割は病気やけが、飢えで死んでしまう。そんな命を救い、人間と共生する社会を目指す市民団体が「人と動物 命にやさしいまちづくり ハーツ」。保護した猫が暮らすシェルターを古橋幸子代表に案内してもらった。
 豊橋市内の某所。2階建ての建物で、約100匹が暮らしている。まだ人に慣れない猫は、ケージの中に入っている。大きく口を開けて威嚇する猫もいれば、外に出てきて横になり、おなかをなでさせる猫もいる。
 ケージには、猫の名前と保護日時、出身地(保護した場所)、ワクチン接種、不妊・去勢手術の有無が書かれた紙が貼ってあった。スタッフが活動中に街中で見つけて捕獲した元野良猫たちだ。
 ハーツは、猫の引き取りはしていない。それでも年間300匹を保護している。東三河全域の地域猫を含め、1年で700匹に不妊・去勢手術をしている。シェルターは24時間、エアコンが動いている。餌代もかかる。「今年の経費は2000万円になりそう」と古橋さん。
 寄付金や餌、猫砂などの寄贈はあるが、それだけでは運営費はまかなえない。世話をするスタッフは全員無給だ。古橋さんによると、最近は親子でボランティアに来てくれる人もいるという。
 1階の台所には、シェルターにいる猫のリストが貼ってあり、投薬や排便のチェックリストが作ってあった。腫瘍ができると抗がん剤を投与したり、通院したりする。逆まつげで目が開かなくなった猫もいれば、闘病生活の末、脚を切断した猫もいた。「人間と同じように病気になる」とスタッフの女性。
 慣れた猫は2階の部屋で自由に歩き回っている。手作りのキャットウオークがあり、高いところから人間を見下ろしている。なでてもらおうと、足元にまつわりつく猫もいた。年間で200匹が新しい飼い主に引き取られているが、子猫が中心。ここに残るのは、成猫がほとんどで、保護されてから6~7年になる猫もいる。
 猫の世話を自発的にしていた人々が集まり、ハーツが発足して19年。その活動はなかなか理解されない。古橋さんには夜中も電話がかかってくる。「子猫がうるさいから引き取れ」「猫の手術をしろ」「ボランティアのくせに金を取る気か」-などなど。
 結婚を機に東京から豊橋に移り住んだ古橋さんは、東三河に「猫捨て場」と呼ばれる場所が20カ所もあるのを知って衝撃を受けた。「捨て猫ゼロ、野良猫ゼロ、殺処分ゼロ」が目標だが、道のりはまだ遠い。
 古橋さんは「元栓を閉める」と言う。すべてのかわいそうな猫を救えるはずがない。そういう猫を生み出さない社会づくりが必要なのだ。
 猫が安心して人間と共生できる街をつくることは、環境問題や超高齢化社会問題の解決にもつながるはずだ。猫の取材を通して社会のあり方を考えてみたい。
【山田一晶】

 東三河は、野良猫が多いのだという。無責任な飼い主によって捨てられた行く末だ。外で生まれた猫の8割は病気やけが、飢えで死んでしまう。そんな命を救い、人間と共生する社会を目指す市民団体が「人と動物 命にやさしいまちづくり ハーツ」。保護した猫が暮らすシェルターを古橋幸子代表に案内してもらった。
 豊橋市内の某所。2階建ての建物で、約100匹が暮らしている。まだ人に慣れない猫は、ケージの中に入っている。大きく口を開けて威嚇する猫もいれば、外に出てきて横になり、おなかをなでさせる猫もいる。
 ケージには、猫の名前と保護日時、出身地(保護した場所)、ワクチン接種、不妊・去勢手術の有無が書かれた紙が貼ってあった。スタッフが活動中に街中で見つけて捕獲した元野良猫たちだ。
 ハーツは、猫の引き取りはしていない。それでも年間300匹を保護している。東三河全域の地域猫を含め、1年で700匹に不妊・去勢手術をしている。シェルターは24時間、エアコンが動いている。餌代もかかる。「今年の経費は2000万円になりそう」と古橋さん。
 寄付金や餌、猫砂などの寄贈はあるが、それだけでは運営費はまかなえない。世話をするスタッフは全員無給だ。古橋さんによると、最近は親子でボランティアに来てくれる人もいるという。
 1階の台所には、シェルターにいる猫のリストが貼ってあり、投薬や排便のチェックリストが作ってあった。腫瘍ができると抗がん剤を投与したり、通院したりする。逆まつげで目が開かなくなった猫もいれば、闘病生活の末、脚を切断した猫もいた。「人間と同じように病気になる」とスタッフの女性。
 慣れた猫は2階の部屋で自由に歩き回っている。手作りのキャットウオークがあり、高いところから人間を見下ろしている。なでてもらおうと、足元にまつわりつく猫もいた。年間で200匹が新しい飼い主に引き取られているが、子猫が中心。ここに残るのは、成猫がほとんどで、保護されてから6~7年になる猫もいる。
 猫の世話を自発的にしていた人々が集まり、ハーツが発足して19年。その活動はなかなか理解されない。古橋さんには夜中も電話がかかってくる。「子猫がうるさいから引き取れ」「猫の手術をしろ」「ボランティアのくせに金を取る気か」-などなど。
 結婚を機に東京から豊橋に移り住んだ古橋さんは、東三河に「猫捨て場」と呼ばれる場所が20カ所もあるのを知って衝撃を受けた。「捨て猫ゼロ、野良猫ゼロ、殺処分ゼロ」が目標だが、道のりはまだ遠い。
 古橋さんは「元栓を閉める」と言う。すべてのかわいそうな猫を救えるはずがない。そういう猫を生み出さない社会づくりが必要なのだ。
 猫が安心して人間と共生できる街をつくることは、環境問題や超高齢化社会問題の解決にもつながるはずだ。猫の取材を通して社会のあり方を考えてみたい。
【山田一晶】

おなかをなでるように要求する猫=いずれもハーツのシェルターで
おなかをなでるように要求する猫=いずれもハーツのシェルターで
慣れた猫は高いところから人間を見下ろしている
慣れた猫は高いところから人間を見下ろしている
部屋に入ると集まってきた。中央の黒猫は右後ろ脚がない
部屋に入ると集まってきた。中央の黒猫は右後ろ脚がない

カテゴリー:社会・経済

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