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渥美農業高生徒がキクでG-GAP取得へ

オンライン発表会で取り組みを報告する平河さん㊧と和田さん=渥美農業高校で
オンライン発表会で取り組みを報告する平河さん㊧と和田さん=渥美農業高校で
土壌保全で要求される高度な課題に取り組む生徒たち
土壌保全で要求される高度な課題に取り組む生徒たち

 田原市の渥美農業高校生徒たちが、特産品のキク生産で農業の国際認証規格「グローバルギャップ」(G-GAP)の取得へ取り組んでいる。農業支援を手掛けるイノチオホールディングス(豊橋市向草間町、石黒功社長)との共同で、花の分野で国内初の認証取得を目指す。25日開かれたオンライン発表会で、現在の状況などを報告した。
 同校は生徒有志がG-GAP取得に取り組んでおり、前年度はミニトマト生産で認証取得。今年度はGAP取得などのノウハウを持つイノチオの支援を受け、スプレーギク生産での認証を目指し12月の審査へ準備を進めている。
 キク生産の認証取得活動は今秋で丸2年。平河平さん、和田宗一郎さんを中心に生徒7人で放課後に活動する。
 審査は農作業時の労働安全をはじめ、農薬・肥料の使用量や頻度や環境保全への配慮など200項目の確認事項をクリアする必要がある。
 これをもとに、申請者独自の課題を見つけ、解決までの手順を示す「リスク評価」をする。活動で生徒たちが農作業を通じて気付いたリスクを持ち寄り、対策や将来的な予防策を討議する。
 害虫駆除では、薬剤を使わず、周囲の生態系を崩さない物理的駆除を模索する。侵入防止ネットを張ったり、捕獲用粘着テープを設置したり、審査基準は一貫して「持続可能性」が求められる。
 環境への影響が出やすい使用農薬や肥料は、定植前の土壌検査を踏まえて最適化する。ハウス内で採取した土を専門機関で分析し、種類や使用量、頻度などを自ら考え、専門知識を持つイノチオ社員や教員らに意見を提示する。あくまで自ら考え行動するスタイルだ。
 花きの分野は日本人審査員がおらず、確認事項などを記した資料原本はすべてドイツ語。英訳資料の日本語訳から始め、現場での実践までに時間を費やした。
 1年から参加する平河さんは「教科書や授業で出てこない高度な知識がたくさん。野菜農家だが家業を継ぐ上でも貴重な経験だった」と話す。
 和田さんは「見過ごしがちな課題に着目し、リスクを事前に想定する作業は難しかった。自分で意見をまとめ理解が格段に深まった」と手ごたえを感じた様子だ。
 この日のオンライン発表会は武蔵精密工業(豊橋市植田町)主催の「東三河SDGsデー」で催され、東三河の7団体が先進事例を発表した。
 同校の発表では「要求項目を満たす以外に、自ら考え改善する姿勢が勉強になった」と報告。野菜部門の認証更新と花き部門の新規取得へ意欲を示した。
【加藤広宣】

 田原市の渥美農業高校生徒たちが、特産品のキク生産で農業の国際認証規格「グローバルギャップ」(G-GAP)の取得へ取り組んでいる。農業支援を手掛けるイノチオホールディングス(豊橋市向草間町、石黒功社長)との共同で、花の分野で国内初の認証取得を目指す。25日開かれたオンライン発表会で、現在の状況などを報告した。
 同校は生徒有志がG-GAP取得に取り組んでおり、前年度はミニトマト生産で認証取得。今年度はGAP取得などのノウハウを持つイノチオの支援を受け、スプレーギク生産での認証を目指し12月の審査へ準備を進めている。
 キク生産の認証取得活動は今秋で丸2年。平河平さん、和田宗一郎さんを中心に生徒7人で放課後に活動する。
 審査は農作業時の労働安全をはじめ、農薬・肥料の使用量や頻度や環境保全への配慮など200項目の確認事項をクリアする必要がある。
 これをもとに、申請者独自の課題を見つけ、解決までの手順を示す「リスク評価」をする。活動で生徒たちが農作業を通じて気付いたリスクを持ち寄り、対策や将来的な予防策を討議する。
 害虫駆除では、薬剤を使わず、周囲の生態系を崩さない物理的駆除を模索する。侵入防止ネットを張ったり、捕獲用粘着テープを設置したり、審査基準は一貫して「持続可能性」が求められる。
 環境への影響が出やすい使用農薬や肥料は、定植前の土壌検査を踏まえて最適化する。ハウス内で採取した土を専門機関で分析し、種類や使用量、頻度などを自ら考え、専門知識を持つイノチオ社員や教員らに意見を提示する。あくまで自ら考え行動するスタイルだ。
 花きの分野は日本人審査員がおらず、確認事項などを記した資料原本はすべてドイツ語。英訳資料の日本語訳から始め、現場での実践までに時間を費やした。
 1年から参加する平河さんは「教科書や授業で出てこない高度な知識がたくさん。野菜農家だが家業を継ぐ上でも貴重な経験だった」と話す。
 和田さんは「見過ごしがちな課題に着目し、リスクを事前に想定する作業は難しかった。自分で意見をまとめ理解が格段に深まった」と手ごたえを感じた様子だ。
 この日のオンライン発表会は武蔵精密工業(豊橋市植田町)主催の「東三河SDGsデー」で催され、東三河の7団体が先進事例を発表した。
 同校の発表では「要求項目を満たす以外に、自ら考え改善する姿勢が勉強になった」と報告。野菜部門の認証更新と花き部門の新規取得へ意欲を示した。
【加藤広宣】

オンライン発表会で取り組みを報告する平河さん㊧と和田さん=渥美農業高校で
オンライン発表会で取り組みを報告する平河さん㊧と和田さん=渥美農業高校で
土壌保全で要求される高度な課題に取り組む生徒たち
土壌保全で要求される高度な課題に取り組む生徒たち

カテゴリー:社会・経済 / 地域・教育

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