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全国の5市長選で新人が現職に勝利

全国の5市長選で新人が現職に勝利
満面の笑みで支持者に礼を述べる中根氏(公式HPから)
満面の笑みで支持者に礼を述べる中根氏(公式HPから)
当選を決め万歳する佐藤氏(佐藤健後援会のHPから)
当選を決め万歳する佐藤氏(佐藤健後援会のHPから)

 豊橋市長選の告示(11月1日)を2週間後に控えた18日、全国で8市長選が投開票された。このうち、現職と新人が争ったのは7。そして5市で新人が現職を破った。近隣では岡崎市と長野県飯田市だ。郷土紙2紙の報道によると-。

■岡崎市■

 3選を目指した無所属現職の内田康宏氏(67)=自民・立憲・公明・国民推薦=を、無所属新人で元衆院議員の中根康浩氏(58)が破った。中根氏の10万3080票に対し、内田氏は7万469票。市議選とのダブル選で投票率は57・25%。
 岡崎市に本社を置く「東海愛知新聞」によると、中根氏は告示前「陣営の組織力の違いから圧倒的不利」とされていた。衆院議員時代に支援していた労組も表立った応援をしなかった。革新系政党など一部組織の支援にとどまったという。
 しかし、3年前の衆院選落選後に1人で続けてきた政策チラシ配りや街頭演説、SNSによる情報発信などの地道な活動が「結実した」と同紙は伝える。政策面では「コンベンション施設整備事業の見直し」、告示5日前に発表した「市民1人5万円の還元」がアピールしたらしい。
 一方の内田氏は当初、支援団体や企業訪問を中心とする組織票固めを主軸とする選挙戦を展開。しかし、中根氏の急伸から後半は街頭活動を増やし、応援弁士を招いて大規模街頭演説をしたが及ばなかったとしている。同紙は「浮動票や批判票だけでなく、保守票の一部も中根氏に流れた」と分析した。

■飯田市■

 5選を目指した現職の牧野光朗氏(59)に、前副市長の佐藤健氏(52)と会社役員の熊谷章文氏(68)の2新人が挑む構図だった。佐藤氏は3万5448票で初当選。牧野氏は1万5980票だった。熊谷氏の出馬表明は告示5日前。投票率は64・17%。
 飯田市に本社を置く「南信州新聞」によると、佐藤氏は「中学や高校の同級生らの後押し」で支援の輪を拡大。「女性からの支持を集め、多選批判や市政の転換を求める層にも支持を浸透させた」としている。「30年後に『飯田を日本一住みたいまち』にする」として、14項目のマニフェストを掲げて戦った。
 牧野氏は「市政の継続と挑戦」がスローガン。「菅義偉首相とのつながりを含め、全国市長会副会長として築いてきた国との関係性をアピール」し、最終盤に500人規模の集会を開くなどしたが及ばなかった。同紙は「4期16年に目立った失政はないものの、多選に伴う不満や変化を求める声が市政の刷新へつながった」と結んだ。
 18日の市長選で現職が当選したのは、いずれも4選を目指した現職に2新人が挑んだ北海道釧路市と兵庫県養父市。両市とも新人の得票を足し合わせれば、現職を上回っていた。
【山田一晶】

 豊橋市長選の告示(11月1日)を2週間後に控えた18日、全国で8市長選が投開票された。このうち、現職と新人が争ったのは7。そして5市で新人が現職を破った。近隣では岡崎市と長野県飯田市だ。郷土紙2紙の報道によると-。

■岡崎市■

 3選を目指した無所属現職の内田康宏氏(67)=自民・立憲・公明・国民推薦=を、無所属新人で元衆院議員の中根康浩氏(58)が破った。中根氏の10万3080票に対し、内田氏は7万469票。市議選とのダブル選で投票率は57・25%。
 岡崎市に本社を置く「東海愛知新聞」によると、中根氏は告示前「陣営の組織力の違いから圧倒的不利」とされていた。衆院議員時代に支援していた労組も表立った応援をしなかった。革新系政党など一部組織の支援にとどまったという。
 しかし、3年前の衆院選落選後に1人で続けてきた政策チラシ配りや街頭演説、SNSによる情報発信などの地道な活動が「結実した」と同紙は伝える。政策面では「コンベンション施設整備事業の見直し」、告示5日前に発表した「市民1人5万円の還元」がアピールしたらしい。
 一方の内田氏は当初、支援団体や企業訪問を中心とする組織票固めを主軸とする選挙戦を展開。しかし、中根氏の急伸から後半は街頭活動を増やし、応援弁士を招いて大規模街頭演説をしたが及ばなかったとしている。同紙は「浮動票や批判票だけでなく、保守票の一部も中根氏に流れた」と分析した。

■飯田市■

 5選を目指した現職の牧野光朗氏(59)に、前副市長の佐藤健氏(52)と会社役員の熊谷章文氏(68)の2新人が挑む構図だった。佐藤氏は3万5448票で初当選。牧野氏は1万5980票だった。熊谷氏の出馬表明は告示5日前。投票率は64・17%。
 飯田市に本社を置く「南信州新聞」によると、佐藤氏は「中学や高校の同級生らの後押し」で支援の輪を拡大。「女性からの支持を集め、多選批判や市政の転換を求める層にも支持を浸透させた」としている。「30年後に『飯田を日本一住みたいまち』にする」として、14項目のマニフェストを掲げて戦った。
 牧野氏は「市政の継続と挑戦」がスローガン。「菅義偉首相とのつながりを含め、全国市長会副会長として築いてきた国との関係性をアピール」し、最終盤に500人規模の集会を開くなどしたが及ばなかった。同紙は「4期16年に目立った失政はないものの、多選に伴う不満や変化を求める声が市政の刷新へつながった」と結んだ。
 18日の市長選で現職が当選したのは、いずれも4選を目指した現職に2新人が挑んだ北海道釧路市と兵庫県養父市。両市とも新人の得票を足し合わせれば、現職を上回っていた。
【山田一晶】

全国の5市長選で新人が現職に勝利
満面の笑みで支持者に礼を述べる中根氏(公式HPから)
満面の笑みで支持者に礼を述べる中根氏(公式HPから)
当選を決め万歳する佐藤氏(佐藤健後援会のHPから)
当選を決め万歳する佐藤氏(佐藤健後援会のHPから)

カテゴリー:政治・行政

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