文字の大きさ

旅行記「笑う世界に鬼はなし」出版

々の自著を前に新著「笑う世界に鬼はなし」を手にする吉見さん=東愛知新聞社で
々の自著を前に新著「笑う世界に鬼はなし」を手にする吉見さん=東愛知新聞社で

 蒲郡市形原町の吉見典生さん(76)がちょっと変わった旅行記「ひと筆書き世界一周の旅 笑う世界に鬼はなし」を自費出版した。これが第1編で「地球3分の1周分」と話している。新型コロナウイルス禍で一休み中に書き上げた。
 35歳頃から世界を旅している吉見さん。その特徴は「一本の曲がりくねった線を通って行く」こと。つまり、点から点への旅となる飛行機を使わず、鉄路で、車で、船で、時には徒歩で、各地を巡る。
 今回は2016年10月12日に蒲郡の自宅を出発するところから始まる。船で朝鮮半島に渡り、また船で中国の青島へ。そしてカザフスタン、キルギス、ウズベキスタンからカスピ海へと1カ月の旅が続く。
 いったん帰国して、再び17年6月、カスピ海からの旅を再開。トルコから東欧を経てイタリアに入り、スペインからモロッコ、西欧諸国を巡り、8月にドイツへ着いてまた中断。
 19年8月に再開し、今度はドイツから北欧、再び東欧を経て、モスクワからシベリア鉄道でウラジオストック韓国から船で帰国した。
 面白いのは日々、フェイスブックで旅の経過を報告し、そこに寄せられた読者のコメントを掲載していること。激励だったり、心配する声だったり、反応はさまざまだ。
 ハプニングもあった。旅行を記録しているタブレット端末の紛失、代わりに付け始めた日記帳もなくした。レシートの裏に記録を書き付けて、旅を続けた。
 最悪だったのがロシアのサンクトペテルブルクで財布を盗まれたこと。クレジットカードも失い、腹巻きに入れていた5万円だけで、シベリア鉄道に乗って帰国を決意する。
 そんな中でも吉見さんは持ち前の社交力に片言の現地語で作った友人たちに助けられながら、無事に帰国できた。大阪外大中国語科卒の実力もさることながら、にわかに覚えた言葉で交渉したり、女性の美貌を褒めたたえたりと、笑いが絶えない旅の記録が続く。
 一方、巻末には平和を願う強い気持ちと、人種差別への嫌悪感が強い言葉でつづられている。現場主義に徹し、各国の人々と友達になった吉見さんだからこそ書けるのだ。
 125歳まで生きると宣言する吉見さん。次の旅はロシアから再開し、ベーリング海峡を船で越えてアラスカに入り、アメリカ大陸を縦断してアルゼンチン、そして南極まで行く計画だ。「ロシア語もスペイン語も、もっともっと勉強したい」と話す。
 一粒書房刊、税込み3000円だが数に限りがある。
【山田一晶】

 蒲郡市形原町の吉見典生さん(76)がちょっと変わった旅行記「ひと筆書き世界一周の旅 笑う世界に鬼はなし」を自費出版した。これが第1編で「地球3分の1周分」と話している。新型コロナウイルス禍で一休み中に書き上げた。
 35歳頃から世界を旅している吉見さん。その特徴は「一本の曲がりくねった線を通って行く」こと。つまり、点から点への旅となる飛行機を使わず、鉄路で、車で、船で、時には徒歩で、各地を巡る。
 今回は2016年10月12日に蒲郡の自宅を出発するところから始まる。船で朝鮮半島に渡り、また船で中国の青島へ。そしてカザフスタン、キルギス、ウズベキスタンからカスピ海へと1カ月の旅が続く。
 いったん帰国して、再び17年6月、カスピ海からの旅を再開。トルコから東欧を経てイタリアに入り、スペインからモロッコ、西欧諸国を巡り、8月にドイツへ着いてまた中断。
 19年8月に再開し、今度はドイツから北欧、再び東欧を経て、モスクワからシベリア鉄道でウラジオストック韓国から船で帰国した。
 面白いのは日々、フェイスブックで旅の経過を報告し、そこに寄せられた読者のコメントを掲載していること。激励だったり、心配する声だったり、反応はさまざまだ。
 ハプニングもあった。旅行を記録しているタブレット端末の紛失、代わりに付け始めた日記帳もなくした。レシートの裏に記録を書き付けて、旅を続けた。
 最悪だったのがロシアのサンクトペテルブルクで財布を盗まれたこと。クレジットカードも失い、腹巻きに入れていた5万円だけで、シベリア鉄道に乗って帰国を決意する。
 そんな中でも吉見さんは持ち前の社交力に片言の現地語で作った友人たちに助けられながら、無事に帰国できた。大阪外大中国語科卒の実力もさることながら、にわかに覚えた言葉で交渉したり、女性の美貌を褒めたたえたりと、笑いが絶えない旅の記録が続く。
 一方、巻末には平和を願う強い気持ちと、人種差別への嫌悪感が強い言葉でつづられている。現場主義に徹し、各国の人々と友達になった吉見さんだからこそ書けるのだ。
 125歳まで生きると宣言する吉見さん。次の旅はロシアから再開し、ベーリング海峡を船で越えてアラスカに入り、アメリカ大陸を縦断してアルゼンチン、そして南極まで行く計画だ。「ロシア語もスペイン語も、もっともっと勉強したい」と話す。
 一粒書房刊、税込み3000円だが数に限りがある。
【山田一晶】

々の自著を前に新著「笑う世界に鬼はなし」を手にする吉見さん=東愛知新聞社で
々の自著を前に新著「笑う世界に鬼はなし」を手にする吉見さん=東愛知新聞社で

カテゴリー:社会・経済 / 芸能・文化

 PR

PR