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心苦しいキャベツ農家

収穫せず放置されたキャベツが残る畑=田原市内で
収穫せず放置されたキャベツが残る畑=田原市内で

豊作による供給過剰で廃棄も

 田原市特産のキャベツが豊作だ。今秋は温暖で台風被害もなく、生育状況が良かったためだ。一方、供給過剰で相場が下がり続けた結果、収穫せず放置したり、トラクターなどで踏み潰す「出荷調整」も目立つ。キャベツ農家の1人は「世界中で持続可能な開発が叫ばれる中、相反する行為で心苦しい」と悩む。
 今年は秋の台風上陸が一つもなく、11月頃まで温かかったことから全国的な豊作となっている。端境期に入る寒冷地の生産が終わらないことも相場低下の一因だという。
 村松町でキャベツなどを栽培する河合啓貴さんによると「8玉入りの箱で800~1500円が普通。これが最近まで300~400円まで下がってしまった」と話す。
 河合さんは飲食チェーンなどと直接取引を続けてきた。新型コロナウイルスの影響に伴う飲食店需要の落ち込みも拍車をかけている。箱や肥料代を差し引くと、利益は消えてしまうという。
 供給過剰に伴う価格低迷への対策として、国はキャベツなど14品目を対象に、損失を補償する野菜価格安定制度を設けているが、個人で加入する人はまだ少ないという。
 加えて、これまで無名だった産地でも栽培を始める農家が増えた。機械化が進み、家族だけの零細な規模でも容易に着手できるため、ネットのフリマアプリなどで販売する人も多い。
 一方市内では、土地の一角に収穫されず放置されたキャベツが残されている畑もある。河合さんは「これまで廃棄も合理的な手段だったが、持続可能な発展を考える時代だ。加工食品など活用先を検討したが量が多すぎる」と悩ましげだ。
 主要産地では個々の生産量が多すぎて、ネットではさばき切れないのが実情。12月以降に寒さが戻ってきた。今後は少しずつだが、他の産地も生産を終える見通し。年明けから2月頃まで耐え抜いて、市場価格が安定するのを期待している。
【加藤広宣】

豊作による供給過剰で廃棄も

 田原市特産のキャベツが豊作だ。今秋は温暖で台風被害もなく、生育状況が良かったためだ。一方、供給過剰で相場が下がり続けた結果、収穫せず放置したり、トラクターなどで踏み潰す「出荷調整」も目立つ。キャベツ農家の1人は「世界中で持続可能な開発が叫ばれる中、相反する行為で心苦しい」と悩む。
 今年は秋の台風上陸が一つもなく、11月頃まで温かかったことから全国的な豊作となっている。端境期に入る寒冷地の生産が終わらないことも相場低下の一因だという。
 村松町でキャベツなどを栽培する河合啓貴さんによると「8玉入りの箱で800~1500円が普通。これが最近まで300~400円まで下がってしまった」と話す。
 河合さんは飲食チェーンなどと直接取引を続けてきた。新型コロナウイルスの影響に伴う飲食店需要の落ち込みも拍車をかけている。箱や肥料代を差し引くと、利益は消えてしまうという。
 供給過剰に伴う価格低迷への対策として、国はキャベツなど14品目を対象に、損失を補償する野菜価格安定制度を設けているが、個人で加入する人はまだ少ないという。
 加えて、これまで無名だった産地でも栽培を始める農家が増えた。機械化が進み、家族だけの零細な規模でも容易に着手できるため、ネットのフリマアプリなどで販売する人も多い。
 一方市内では、土地の一角に収穫されず放置されたキャベツが残されている畑もある。河合さんは「これまで廃棄も合理的な手段だったが、持続可能な発展を考える時代だ。加工食品など活用先を検討したが量が多すぎる」と悩ましげだ。
 主要産地では個々の生産量が多すぎて、ネットではさばき切れないのが実情。12月以降に寒さが戻ってきた。今後は少しずつだが、他の産地も生産を終える見通し。年明けから2月頃まで耐え抜いて、市場価格が安定するのを期待している。
【加藤広宣】

収穫せず放置されたキャベツが残る畑=田原市内で
収穫せず放置されたキャベツが残る畑=田原市内で

カテゴリー:社会・経済

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