豊橋竹とんぼ会 鬼祭と張り子の面をPR

　来年２月10、11の両日に豊橋市八町通３の安久美神戸神明社で開かれる「豊橋鬼祭」と豊橋張り子の面をＰＲしようと、同神明社の額殿で鬼面や天狗（てんぐ）面、鍾馗（しょうき）面の展示会が始まった。１月11日まで。
　展示した豊橋竹とんぼ会は１９５６年に発足。郷土玩具の研究や収集、普及に努め、日本文化の良さを広めようと隔年で展示会も開く。豊橋張り子面の「最後の工人」と言われる豊田三良さんの引退を受け、３年前から技術継承にも力を入れてきた。豊田さんの残した型で面製作に打ち込むほか、地元中学生や一般向けに面作り教室も開いている。
　同神明社での発表は３回目。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で教室が開けなかったことから、展示作品約１５０点はすべて会員有志によるもの。勇壮な立ち姿の赤鬼を囲むように、大小の面を並べた。
　今年はコロナ禍の早期終息を願い「悪疫よけ」に効があるとされる鍾馗面づくりに力を入れた。会場には迫力ある鬼面や天狗面よりも多く鍾馗面を並べた。
　張り子の鍾馗面は全国的にも珍しいとされ、会場では複数の先人が手掛けた型で作った多彩な面が観賞できる。ほかに、過去の豊橋鬼祭会場で販売された鬼面数種を模した作品、奥三河の「花祭」の面などもお目見えした。
　兵藤会長は「初詣に来る人たちに、豊橋張り子の面を見てもらいたい。鍾馗面でコロナ終息を願いたい」と呼び掛ける。
　額殿は正月三が日は午前９時から午後５時まで観賞可能で、31日の大みそかは終夜開けている。
【田中博子】