東京・渋谷でゴミゼロのまち全国へPR

　ハロウィーン仮装でごった返す東京・渋谷のスクランブル交差点に先月末、ごみは捨てずに持ち帰ろうと、５３０（ゴミゼロ）運動発祥のまちをＰＲする「ええじゃないか豊橋５３０発信隊ｉｎＴＯＫＹＯ」のメンバー約50人が参上。深夜のごみ拾いを敢行し、その活躍ぶりを大手ＴＶ局がこぞってオンエアした。幕末の民衆世直し騒動“ええじゃないか”発祥の地と併せ、発信隊は全国に豊橋の名を知らしめた。
　この発信隊をつくった中心人物（隊長）は、豊橋商工会議所青年部ええじゃないか委員会の惣田吉彦委員長（37）。ハロウィーン（10月31日）の仮装に身を包む若者が集結し、真っ直ぐ歩けないほど混雑する現地で年々、ごみ問題も深刻化しているのに目をつけた。商議所発のバスツアーとして企画。青年部有志を募ったほか、市制１１０周年市民提案イベントとして一般市民15人の参加（無料）も受け付け、25歳から50歳の男女48人が集まった。
　一行は29日夜、足袋（たび）をはき、顔を白く塗った“ええじゃないか”コスチュームで渋谷到着。「５３０運動発祥のまち　ええじゃないか豊橋」と印刷された、黄色のゴミ袋（30㍑）３０００枚を持参し、午後10時から翌30日午前４時まで、ボランティアごみ拾いを続けた。
　「楽しかった。若い人たちがごみを手に、大勢寄ってきて（手伝って）くれた」と話す惣田隊長。隊員たちは計約２００袋分の空き缶など拾い、６分別して最寄のステーションへ運んだ。残りのごみ袋はすべて、希望する若者らへ無料配布。「５０００枚用意すればよかった。すべてさばけたと思いますよ」と振り返る。
　事前通知しなかったにもかかわらず、隊長にはＮＨＫ、日テレ、朝日など各ＴＶ局記者が次々取材攻勢。「片付ける人たち」などのタイトルで全国放映されていった。「豊橋では当たり前にやっている５３０運動が、東京では新鮮だったと思う。来年もやります」と力を込める惣田隊長。今年初めて組織した５３０発信隊は、渋谷のまちに大きなインパクトを与え、来年のハロウィーンへと引き継がれていく。
（藤田彰彦）