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セリフを手話で同時通訳

稽古の様子。手前が手話通訳者で奥の人が役者=プラットで
稽古の様子。手前が手話通訳者で奥の人が役者=プラットで
廣川さん、樋口さん、河合さん(左から)
廣川さん、樋口さん、河合さん(左から)
セリフを手話で同時通訳

4月1日プラットで舞台劇「凛然グッドバイ」

 豊橋市では初めてとなる舞台手話付き演劇公演が23日に「穂の国とよはし芸術劇場プラット」で開かれる。劇は「凛然グッドバイ」(樋口ミユ作・演出)。主に2人の出演者による言葉のやり取りによる劇だが、監修を受けた手話通訳者が演出家の指導の下、舞台上に立ってセリフを同時通訳する。
 プラットはバリアフリーの文化芸術の発信を目指し、2019年9月、「TA-net(シアター・アクセシビリティー・ネットワーク、ターネット)」の活動の一つとして「舞台手話通訳養成講座」を実施した。昨年は新型コロナウイルス禍の影響を受け、公演そのものが難しくなっていたが、講座の成果の発表の場として今回の上演に至った。
 出演者は7人だが、そこにターネットの手話通訳者3人が順番に加わる。役者は3チームに分かれ、通訳者とともに舞台に立つ。
 樋口さんによると「グッドバイ」は10年前に初演があり、大阪、東京、仙台など各地で役者が演じてきた。今回の話が持ち上がった時、手話通訳付き舞台にふさわしいと思ったという。樋口さんは「2~3時間、劇の手話を見て、聞こえるはずのないセリフが聞こえてくるようだった。手話は言語だと思った」と語る。
 「グッドバイは抽象的で難解」という指摘を受ける。セリフが多い。今回、手話監修にあたった河合依子さん(全日本ろう者演劇協会長、岐阜ろう劇団いぶき代表)は「とても難しかった。舞台経験のある手話通訳者と何度も打ち合わせをした」と振り返った。
 40年の経験がある手話劇と違い、役者のセリフに手話が追いつかなくなるほどだった。そこで、不要と思われる部分を省略しながら、チームで手話の形をまとめていった。
 ターネット理事長の廣川麻子さんは「手話通訳付き舞台は、振り返りができないため、演劇の知識がある第三者による監修が欠かせない。台本を読んで、その意を汲める人が必要」と話した。
 はるか未来の2人の女性が、劇に登場する。獣のような少女デモと、自分の可能性に絶望した詩人セン。2人の成長と「詩」という言葉を巡る物語だ。シンプルな舞台装置の前で、2人が言葉をつむぐ。
 樋口さんは「手話によって舞台が倍以上に面白くなった。聴覚障害者だけでなく、一般の人も楽しんでもらえれば」と話す。
 23日午後2時開演。入場無料で全席自由だが、事前申し込みが必要。問い合わせはプラット(電話0532・39・8810、ファクス0532・55・8192)。オンライン=QRコード=での申し込みも可能。
【山田一晶】

4月1日プラットで舞台劇「凛然グッドバイ」

 豊橋市では初めてとなる舞台手話付き演劇公演が23日に「穂の国とよはし芸術劇場プラット」で開かれる。劇は「凛然グッドバイ」(樋口ミユ作・演出)。主に2人の出演者による言葉のやり取りによる劇だが、監修を受けた手話通訳者が演出家の指導の下、舞台上に立ってセリフを同時通訳する。
 プラットはバリアフリーの文化芸術の発信を目指し、2019年9月、「TA-net(シアター・アクセシビリティー・ネットワーク、ターネット)」の活動の一つとして「舞台手話通訳養成講座」を実施した。昨年は新型コロナウイルス禍の影響を受け、公演そのものが難しくなっていたが、講座の成果の発表の場として今回の上演に至った。
 出演者は7人だが、そこにターネットの手話通訳者3人が順番に加わる。役者は3チームに分かれ、通訳者とともに舞台に立つ。
 樋口さんによると「グッドバイ」は10年前に初演があり、大阪、東京、仙台など各地で役者が演じてきた。今回の話が持ち上がった時、手話通訳付き舞台にふさわしいと思ったという。樋口さんは「2~3時間、劇の手話を見て、聞こえるはずのないセリフが聞こえてくるようだった。手話は言語だと思った」と語る。
 「グッドバイは抽象的で難解」という指摘を受ける。セリフが多い。今回、手話監修にあたった河合依子さん(全日本ろう者演劇協会長、岐阜ろう劇団いぶき代表)は「とても難しかった。舞台経験のある手話通訳者と何度も打ち合わせをした」と振り返った。
 40年の経験がある手話劇と違い、役者のセリフに手話が追いつかなくなるほどだった。そこで、不要と思われる部分を省略しながら、チームで手話の形をまとめていった。
 ターネット理事長の廣川麻子さんは「手話通訳付き舞台は、振り返りができないため、演劇の知識がある第三者による監修が欠かせない。台本を読んで、その意を汲める人が必要」と話した。
 はるか未来の2人の女性が、劇に登場する。獣のような少女デモと、自分の可能性に絶望した詩人セン。2人の成長と「詩」という言葉を巡る物語だ。シンプルな舞台装置の前で、2人が言葉をつむぐ。
 樋口さんは「手話によって舞台が倍以上に面白くなった。聴覚障害者だけでなく、一般の人も楽しんでもらえれば」と話す。
 23日午後2時開演。入場無料で全席自由だが、事前申し込みが必要。問い合わせはプラット(電話0532・39・8810、ファクス0532・55・8192)。オンライン=QRコード=での申し込みも可能。
【山田一晶】

稽古の様子。手前が手話通訳者で奥の人が役者=プラットで
稽古の様子。手前が手話通訳者で奥の人が役者=プラットで
廣川さん、樋口さん、河合さん(左から)
廣川さん、樋口さん、河合さん(左から)
セリフを手話で同時通訳

カテゴリー:社会・経済 / 芸能・文化

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