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走行中EV給電実現へ技科大が新会社設立

舗装路でワイヤレス給電の走行に成功した小型EV(提供)
舗装路でワイヤレス給電の走行に成功した小型EV(提供)

 豊橋技術科学大学で学内ベンチャー「パワーウェーブ」が発足した。走行中の電気自動車(EV)に、路面からワイヤレスで電気を送るシステムの実用化を目指す。走りながら充電できるため、走行距離の少なさなどEVの欠点を補えるとして注目を集める。今秋に実証実験を始め、来年のシステム提供を目指す。
 新会社は3月設立、4月には大学発として3例目のベンチャー企業に認定された。未来ビークルシティリサーチセンターの阿部晋士特任助手が代表に就いた。
 波動工学をもとに、高周波回路やタイヤを介した給電技術などを研究してきた。15年にはシステムを搭載した小型EVを使い、給電可能なアルファルト舗装路での実験にも成功した。
 床や道路の下に敷設した送電板と交換器をプラグでつなぎ、家庭用から変換した高周波電流を車などに載せた受電装置へ送る。送受電の双方にある電極が近付く際に発する電界を利用してエネルギーを送る。複数車両にも送電でき、既存車への搭載も容易だという。
 当面は施設内移動のシステムで普及を図り、将来は高速道路などインフラへの実装を目指す。送電ユニットは工場や商業施設、受電ユニットはEVやロボットメーカーへ販売する。
 脱炭素社会へ乗り物の電動化が進む一方、既存のEVは電池容量の少なさや走行距離の短さなどに課題が残る。開発した技術の商用化へ向けた取り組みとして、10月からアイシンなどと共同で、中部空港で次世代型輸送機を使った実証運転を始める。
【加藤広宣】

 豊橋技術科学大学で学内ベンチャー「パワーウェーブ」が発足した。走行中の電気自動車(EV)に、路面からワイヤレスで電気を送るシステムの実用化を目指す。走りながら充電できるため、走行距離の少なさなどEVの欠点を補えるとして注目を集める。今秋に実証実験を始め、来年のシステム提供を目指す。
 新会社は3月設立、4月には大学発として3例目のベンチャー企業に認定された。未来ビークルシティリサーチセンターの阿部晋士特任助手が代表に就いた。
 波動工学をもとに、高周波回路やタイヤを介した給電技術などを研究してきた。15年にはシステムを搭載した小型EVを使い、給電可能なアルファルト舗装路での実験にも成功した。
 床や道路の下に敷設した送電板と交換器をプラグでつなぎ、家庭用から変換した高周波電流を車などに載せた受電装置へ送る。送受電の双方にある電極が近付く際に発する電界を利用してエネルギーを送る。複数車両にも送電でき、既存車への搭載も容易だという。
 当面は施設内移動のシステムで普及を図り、将来は高速道路などインフラへの実装を目指す。送電ユニットは工場や商業施設、受電ユニットはEVやロボットメーカーへ販売する。
 脱炭素社会へ乗り物の電動化が進む一方、既存のEVは電池容量の少なさや走行距離の短さなどに課題が残る。開発した技術の商用化へ向けた取り組みとして、10月からアイシンなどと共同で、中部空港で次世代型輸送機を使った実証運転を始める。
【加藤広宣】

舗装路でワイヤレス給電の走行に成功した小型EV(提供)
舗装路でワイヤレス給電の走行に成功した小型EV(提供)

カテゴリー:社会・経済

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