折り返し点迎えた豊橋市長選

　任期満了による豊橋市長選挙は９日、13日の投開票に向けて折り返し点を迎えた。いずれも無所属で、３選を目指す現職の佐原光一候補（63）＝自民、公明、連合愛知豊橋地域協議会推薦＝と、新人の共産党東三地区副委員長・串田真吾候補（40）＝共産推薦＝が、個人演説会、街頭などで政策を訴えている。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて初の市長選という注目点があるものの、“静かな選挙戦”となっており、投票率が懸念されている。
　佐原候補は、後援会や推薦政党・団体、同級生らの支援を受けながらの戦い。支持を固めるとともに、拡大を図る。あいさつ回りのほか、夜は市内全域で計画している個人演説会。２期８年の実績と「新しい社会に対応した土台をつくる」などと今後のまちづくり、各地域の課題、取り組みなどを説明している。10日はライフポートとよはしで総決起大会。
　串田候補は、推薦政党の共産を母体に、共産市議の後援会などの支援を受けながら選挙運動を展開している。主に街頭で訴えており、スーパー付近、交通量の多い交差点などに立ち、政策、主張をアピール。陣営では「現市政への批判の声を届けに訪れる人もいる」と話し、浸透を図っている。個人演説会も開催しており、10日には文化会館を会場に行う。
　今回は大きな争点がなく、人口減少に入った中、これからのまちづくりの在り方などが問われる。
　期日前投票者数は７、８の両日で９８７人。前回は序盤で１５００人近くだったため、静かな選挙戦を象徴するように出足は鈍い。
　選挙権年齢引き下げに合わせ、若者が投票しやすい環境にしようと、市選挙管理委員会は、夏の参議院選挙で開設した豊橋創造大学（11日）に加え、９日、愛知大学豊橋校舎にも期日前投票所を設置、近所の人や学生ら１７８人が投票した。
　同大の学生が投票立会人を務めた。ともに選挙権はないが、学内に投票所があることに３年・松崎由希さん（20）は「行政や選挙を身近に感じられる機会」、１年・松田侃さん（18）は「便利だし、選挙を学ぶ機会になる」と話した。
（中村晋也）