「ウーバーイーツ」豊川でサービス開始

　オンラインの飲食出前代行「ウーバーイーツ」が10日、豊川市でサービスを始めた。東三河では昨年12月から、豊橋市中心部などでスタートしている。商店街の尽力で実現にこぎつけた。さらなるエリア拡大につながるか。
　客がウーバーのアプリなどで注文。店や配達先の近くにいる配達員が店で商品を受け取り、注文先まで届ける。２０１６年９月に東京で始まり、現在は36都道府県でサービス展開中。カレーやハンバーガーをはじめ、和食から洋食に至るまでの料理が届く。
　新たに加わった豊川のエリアは、北は東名高速豊川インターチェンジ、南は豊川市正岡町から小坂井駅東側を中心とする。スタート段階では約20店舗が注文に応じる「レストランパートナー」となった。
　ウーバーを呼び込んだのは本町商店街振興会だ。田中粋人理事長によると、豊橋がエリアになった直後から交渉を開始。今年２月末、20店舗を確保することが条件として示され、今月に入ってからゴーサインが出た。
　苦労したのが店の説得だ。ウーバーのシステムは店側が、商品代金に配達員報酬などを含めた手数料35％を上乗せした金額で販売する。たとえば店頭で１０００円で販売しているメニューをウーバーで届けようとすると、１６３０円に設定しないと同じ利益が出ない。「この条件に二の足を踏む店が多かった」と田中理事長。
　また、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言で店自体を閉めているところも多かった。だが、ポストコロナを見据え、再び商店街に足を運んでもらうために、という説得で、なんとかウーバー側の条件をクリアした。「コロナでみな苦しんでいる。商店街が忘れられないよう、ウーバーでつなぎとめたい」と田中理事長は話した。
　本町商店街は緊急事態宣言解除が見込まれる21日から、商店街内のウーバー登録店で注文した人を対象に、１０００円分のギフトカードをプレゼントする。
　本町商店街27店舗で使えるカード。10万円分を用意した。なくなり次第終了。商店街のウーバー登録店は「ＥＡＳＥ豊川駅前店」「稲荷ホルモン酒場炎や豊川店」「炭火・鶏中々」「鳥と魚」「肉バルＯＮＥ」の５店。
【山田一晶】