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検視業務の功績たたえ市原さんへ感謝状

鈴木署長から感謝状を贈られた市原さん㊧=豊橋署で
鈴木署長から感謝状を贈られた市原さん㊧=豊橋署で

 国立病院機構豊橋医療センターの名誉院長、市原透さん(70)に対し、豊橋署は29日、感謝状を贈った。長年にわたって検視業務に貢献したことが理由。鈴木彰署長から感謝状を受け取った市原さんは「医師として当然のことをしたまでのこと。一刻も早く検案書を作り、亡くなった方を遺族の元にお返ししたいと思っています」と話した。
 市原さんは検視立会医として、この15年間に366の遺体を検案した。
 事件性が疑われる遺体は、法医学教室で司法解剖されるが、病死、事故死、自殺などで亡くなった人は市原さんのような警察協力医の対象になる。検視官、刑事らが遺体発見現場に臨場し、検視業務を終えると、登録している協力医に立ち会いを要請するが、すぐには見つからないことが多い。市原さんは連絡を受けると可能な限り要請に応じてきた。
 「何人もの警察官が夏の暑い日や極寒の日、嵐の日でも現場で私の到着を待っています。検視業務を円滑に進めることで市民の暮らしを守ってくれる警察署員のために、一刻も早く自分にできることをしたいと思っています」と市原さん。
 きれいな遺体ばかりではない。死後、時間が経過して腐乱した遺体、焼死体、れき死体、または白骨化した遺体もある。できる範囲で死因を探す。三河海上保安署の要請で漂流遺体を検案することもあった。
 366例の遺体のうち、15例で「Ai(死亡時画像診断)」を実施した。遺体をCT(コンピューター断層撮影)などにかけることだ。
 市原さんによると、体表からでは分からなかった死因が、Aiにより死に至った意外な原因を突き止めることが可能な場合もあったという。「死者はもう語ってくれないが、その声にできる限り耳を傾ける必要がある」と話す。
 しかし死後に撮影するCT画像は生きている人と異なり、時間の経過とともにその所見は刻々と死後変化する。慣れていないと読影は難しいうえ、死者ということもあって警察の要請に応じる医療機関は少ない。
 一方で国は死因究明のために昨年、法律を作り、積極的にAiを行うようにと、警察庁が通達を出している。
 「解剖件数が少なく、協力医に検案を要請せざるを得ない現状では、死後CTは死因究明のための有力なツールになると思う」と、市原さんは語った。
【山田一晶、林大二朗】

 国立病院機構豊橋医療センターの名誉院長、市原透さん(70)に対し、豊橋署は29日、感謝状を贈った。長年にわたって検視業務に貢献したことが理由。鈴木彰署長から感謝状を受け取った市原さんは「医師として当然のことをしたまでのこと。一刻も早く検案書を作り、亡くなった方を遺族の元にお返ししたいと思っています」と話した。
 市原さんは検視立会医として、この15年間に366の遺体を検案した。
 事件性が疑われる遺体は、法医学教室で司法解剖されるが、病死、事故死、自殺などで亡くなった人は市原さんのような警察協力医の対象になる。検視官、刑事らが遺体発見現場に臨場し、検視業務を終えると、登録している協力医に立ち会いを要請するが、すぐには見つからないことが多い。市原さんは連絡を受けると可能な限り要請に応じてきた。
 「何人もの警察官が夏の暑い日や極寒の日、嵐の日でも現場で私の到着を待っています。検視業務を円滑に進めることで市民の暮らしを守ってくれる警察署員のために、一刻も早く自分にできることをしたいと思っています」と市原さん。
 きれいな遺体ばかりではない。死後、時間が経過して腐乱した遺体、焼死体、れき死体、または白骨化した遺体もある。できる範囲で死因を探す。三河海上保安署の要請で漂流遺体を検案することもあった。
 366例の遺体のうち、15例で「Ai(死亡時画像診断)」を実施した。遺体をCT(コンピューター断層撮影)などにかけることだ。
 市原さんによると、体表からでは分からなかった死因が、Aiにより死に至った意外な原因を突き止めることが可能な場合もあったという。「死者はもう語ってくれないが、その声にできる限り耳を傾ける必要がある」と話す。
 しかし死後に撮影するCT画像は生きている人と異なり、時間の経過とともにその所見は刻々と死後変化する。慣れていないと読影は難しいうえ、死者ということもあって警察の要請に応じる医療機関は少ない。
 一方で国は死因究明のために昨年、法律を作り、積極的にAiを行うようにと、警察庁が通達を出している。
 「解剖件数が少なく、協力医に検案を要請せざるを得ない現状では、死後CTは死因究明のための有力なツールになると思う」と、市原さんは語った。
【山田一晶、林大二朗】

鈴木署長から感謝状を贈られた市原さん㊧=豊橋署で
鈴木署長から感謝状を贈られた市原さん㊧=豊橋署で

カテゴリー:社会・経済

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