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豊橋市二川宿本陣資料館に英訳解説パネルを設置

新設した英訳解説パネル=二川宿本陣資料館で
新設した英訳解説パネル=二川宿本陣資料館で
浅井市長から感謝状を受けたバーニャさん(左から2人目)らメンバー=市役所で
浅井市長から感謝状を受けたバーニャさん(左から2人目)らメンバー=市役所で

 豊橋市二川宿本陣資料館は、展示資料を英語で解説するパネルを外国人観光客向けに作った。当時の留学生で、現在は市内で英会話講師などをしているブルガリア人のバーニャ・ドルガノバさんの発案。地域の通訳ボランティアガイド「ひまわりの会」の協力で3年半かけて完成した。
 バーニャさんは2015年に豊橋技術科学大学の研究生として来日した。研究の傍ら、日本文化に触れようと2017年に会の案内で資料館を訪れた。そこで、展示物の解説パネルが日本語版しかないことが気になった。
 英訳パンフレットはあったが、解説パネルは未対応。自ら翻訳を申し出た。ひまわりの会と共同で足掛け3年半にわたり160枚ものパネルを作った。翻訳パネルは展示物1点に1枚ではなく、枚数を増やして配置や壁のしつらえに調和するよう見せ方にも工夫を凝らした。
 もっとも苦労したのは歴史用語だ。「旅籠(はたご)」や「宿場」といった歴史用語は日本人でもなじみが薄くなっている。英語に直訳すると本来とはかけ離れた意味で誤解を与えてしまう。メンバーは歴史的用語の理解を深めるところから始めた。
 資料館の早野祐美子主任学芸員は「頻出する『宿場』は単なる宿泊施設ではなく、街道をつなぐ役割から『ポストステーション』が最適では、としました」と説明する。解説文の「行間」の表現にも心を砕いた。五十三次の距離感をイメージしてもらえるよう「江戸から京まで600㌔」など、日本人には常識だが外国人には知られていない知識も丁寧に訳した。
 バーニャさんは「英訳解説のない不便さが出発点だが、これを機に互いの言葉を分かりあう心の交流につながれば」と期待した。
 プロジェクトでは敷地内の本陣や旅籠屋へのパネル設置のほか、映像や音声ガイドの翻訳にも取り組む。浅井由崇市長はバーニャさんらメンバーに感謝状を贈った。
【加藤広宣】

 豊橋市二川宿本陣資料館は、展示資料を英語で解説するパネルを外国人観光客向けに作った。当時の留学生で、現在は市内で英会話講師などをしているブルガリア人のバーニャ・ドルガノバさんの発案。地域の通訳ボランティアガイド「ひまわりの会」の協力で3年半かけて完成した。
 バーニャさんは2015年に豊橋技術科学大学の研究生として来日した。研究の傍ら、日本文化に触れようと2017年に会の案内で資料館を訪れた。そこで、展示物の解説パネルが日本語版しかないことが気になった。
 英訳パンフレットはあったが、解説パネルは未対応。自ら翻訳を申し出た。ひまわりの会と共同で足掛け3年半にわたり160枚ものパネルを作った。翻訳パネルは展示物1点に1枚ではなく、枚数を増やして配置や壁のしつらえに調和するよう見せ方にも工夫を凝らした。
 もっとも苦労したのは歴史用語だ。「旅籠(はたご)」や「宿場」といった歴史用語は日本人でもなじみが薄くなっている。英語に直訳すると本来とはかけ離れた意味で誤解を与えてしまう。メンバーは歴史的用語の理解を深めるところから始めた。
 資料館の早野祐美子主任学芸員は「頻出する『宿場』は単なる宿泊施設ではなく、街道をつなぐ役割から『ポストステーション』が最適では、としました」と説明する。解説文の「行間」の表現にも心を砕いた。五十三次の距離感をイメージしてもらえるよう「江戸から京まで600㌔」など、日本人には常識だが外国人には知られていない知識も丁寧に訳した。
 バーニャさんは「英訳解説のない不便さが出発点だが、これを機に互いの言葉を分かりあう心の交流につながれば」と期待した。
 プロジェクトでは敷地内の本陣や旅籠屋へのパネル設置のほか、映像や音声ガイドの翻訳にも取り組む。浅井由崇市長はバーニャさんらメンバーに感謝状を贈った。
【加藤広宣】

新設した英訳解説パネル=二川宿本陣資料館で
新設した英訳解説パネル=二川宿本陣資料館で
浅井市長から感謝状を受けたバーニャさん(左から2人目)らメンバー=市役所で
浅井市長から感謝状を受けたバーニャさん(左から2人目)らメンバー=市役所で

カテゴリー:社会・経済 / 芸能・文化

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