田原市博物館で移動美術館

　田原市田原町の市博物館で企画展「移動美術館２０２１　愛知県美術館・愛知県陶磁美術館のコレクションから」が始まった。８月１５日まで。
　県美術館からは「人はなぜ生きものを描く？」と題し、犬や猫、鳥、虫など「生きもの」をテーマに油彩のほか木やテラコッタなど彫刻品で表した近現代美術を29件展示。２匹の犬の仕草で表現する竹内浩一の「風」や、図鑑を切り抜いて作った渡辺英司の「蝶瞰図（ちょうかんず）」など、ユニークな作品が並ぶ。
　陶磁美術館からは「田原市の名窯・渥美窯―９００年前に日本一」として、日本三大古窯の一つにも数えられる渥美窯で平安時代末期から鎌倉時代にかけて作られた「刻文壺（こくもんつぼ）」や、同時代の他の地域の壺や水がめなど「やきもの」を23件展示。渥美窯のトレードマーク、蓮の花模様が入れられた「灰釉蓮弁文壺」や、経巻が入った銅製経筒を納める容器として猿投窯で作られた「牡丹文経筒外容器」（県指定文化財）などが並ぶ。
　18日と８月１日の午後１時半から崋山会館レセプションホールで学芸員による展示説明会がある。事前申し込み不要、先着20人。
【岸侑輝】