キッチンカー店主に食中毒防止を呼び掛け

　夏に多発する食中毒事故を防ごうと、豊橋市保健所は30日、飲食を提供するキッチンカーの巡回指導を始めた。８月末まで随時実施する。初回は豊橋総合動植物公園（のんほいパーク）での出店者を対象に、衛生管理状況の確認や順守事項の徹底を呼び掛けた。
　店舗を対象にした夏期一斉監視を毎年実施しているが、新型コロナウイルス禍に伴う業態転換で需要が増えているキッチンカーを対象にした。
　この日は午後５時からの夜間営業「ナイトＺＯＯ」の開催日で、出店した12台を市の食品衛生監視員が訪問。キッチンカーでの食中毒防止３カ条として、手洗いや食材の加熱、食品衛生計画の作成から記録まで「き（っ）ちん」とした徹底を呼び掛けるチラシを配った。
　市保健所によると、新型コロナ禍の影響で昨年度から飲食のキッチンカーの営業許可件数が大幅に増えている。例年は20件台で推移するが、昨年度は44件に急増。今年度は４カ月で18台と３倍近いペースとなっている。
　今後はキッチンカーが出店できるイベント会場などへ随時、食品衛生監視員を派遣する。市保健所生活衛生課は「時代背景もあってキッチンカーの営業台数は大幅に増えた。車内での衛生管理３カ条の徹底を浸透させたい」と話す。
【加藤広宣】