石斧で丸木舟を作るプロジェクト

杉の木を１８日間で切り倒す

　縄文時代の石斧（せきふ）を使って丸木舟を作るプロジェクトが東栄町で進められている。山梨県甲州市の雨宮国広さん（52）が29日、材料とする高さ46㍍、直径１・６㍍の杉を切り倒した。
　雨宮さんは２０１９年、杉をくりぬいた丸木舟で台湾から沖縄県与那国島へ渡る航海実験に参加した。今回、新たなプロジェクトとして、東栄町に自生する杉を使って長さ11㍍丸木舟（７人乗り）を作り、全国を航海することになった。
　伐採に向け今月12日から石斧で切り始めた。２方向からギリギリまで切り進め、29日には縄文人の出で立ちで雨宮さんが石斧で１時間切り続けると、ミシミシと音を立てながらゆっくりと木が傾き、砂ぼこりをあげて倒れた。
　クラウドファンディング（ＣＦ）で資金を寄せた県内外の親子約10組が見守り、木が倒れると拍手を送った。
　５万回以上石斧を入れた雨宮さんは「無事に伐採することができた。丸木舟にさせていただきます」と切り株に感謝の言葉を送った。
　切った杉は９月７日に山梨県の西湖に運ぶ。その後は来年５月以降に北海道から沖縄まで１年かけてトラックで丸太を運び、希望者参加型で丸木舟を作る。
【安藤聡】