豊橋・二川宿本陣で「菊の節句」

　豊橋市二川宿本陣資料館で４日、「菊の節句―重陽」が始まった。五節句の一つ、菊で邪気を払い長寿を願う「重陽の節句」（９月９日）にあわせた催し。12日まで。
　本陣板の間には白や黄色、薄だいだい色の大小の菊花とススキ、リンドウの生け込みを並べたほか、菊の花の上に真綿をかぶせ、朝露や香りを移した綿で顔や体を拭いて長寿を保つと言われる重陽の風習「菊の着せ綿」を再現した。
　さらに、節句の時に女児が草を日本髪風に結い、竹にさして人形として遊んだという当地特有の「オカヅラ人形」も紹介。学芸員らがとってきたカモジグサをもんで束ね、切ってきた竹筒に結わえて作った。
　ほかにも、地元の「つるし飾りの会」がカラフルな菊のつるし飾りや置き飾り、月見ウサギなどのちりめん細工などを、同じく「楽しい折り紙の会」が立体・半立体の菊の花、月見にちなんだ色紙などの折り紙作品を多数並べた。
　今回、折り紙作品の中には、オリンピックにちなんで折り鶴で五輪や各国の国旗を表現したもの、菊の節句をテーマにした浮世絵から背景部分だけを抜粋して折り鶴で再現した作品なども披露され、来館者の目を楽しませている。
【田中博子】