文字の大きさ

県内企業はEVに慎重論

県内企業はEVに慎重論

 「脱炭素社会の進展」「電気自動車(EV)の普及」が、今後の自社の事業に影響を与えると考えている県内企業は、全国平均よりも高いことが帝国データバンク名古屋支店の調査で判明した。特にEVに関しては「プラスの影響」が県内は14・5%で全国が13・4%と1・1ポイントのプラスだったのに対し、「マイナスの影響」は県内が21・4%、全国が14・9%と6・5ポイント上回った=円グラフ。保守的な経営思考が強いこと、自動車関連産業が集積することの相乗効果とみられる。
 調査は今年6月、県内に本社を置く1348社を対象に実施、588社から回答を得た(回答率43・6%)。全国では回答率46・8%。
 それによると、脱炭素社会の進展を「プラスの影響」とした県企業は16・2%で全国(14・8%)を1・4ポイント上回った。「マイナス」の県企業は18・9%で全国(16・1%)を2・8ポイント上回った。「影響はない」は 32・0%。
 脱炭素社会の進展もEVの普及も、ともに自社の事業への影響を受けるとみている割合は、全国よりも高くなった。
 「自動車のEV化に向け、インフラ整備一環としてマンションや集合住宅娯楽場などへの充電設備の販売に力を入れている」(サービス)など前向きな声もある一方で、「EV化は工作機械に携わる人の仕事を奪うことにつながりそう」(製造)、「今後、EVの拡張が予想され工作機械のセールスが非常に不安」(卸売)などの声があった。自動車産業の集積地である県内では、EV化による従来のサプライチェーンの縮小や必要な部品の変化は製造業以外にもマイナスの影響が及ぶ可能性がある。
 一方、政府が進める「スマートシティ」への取り組みについて、どのような分野に興味・関心があるか尋ねたところ、エネルギー、上下水、リサイクルなどを地域内で最適管理するといった「エネルギー、水、廃棄物分野」が 41・0%で最多となった(複数回答)。以下、「自動走行・自動配送分野」(29・4%)、災害の情報をリアルタイムで取得・発信し、迅速な避難・復旧を実現する「防災分野」(29・1%)と続いた。ICTのデータ活用で健康寿命を延伸することなどを含む「健康・医療・介護分野」は21・3だった。
 帝国データ名古屋支店は「脱炭素社会の進展やEVの普及は、今後の動きを事業拡大のチャンスと捉え、先進的な発展を期待する声もあったが、EVは自動車産業の集積地である県では慎重な見方をしている企業が多いことが明らかとなった」としている。
【山田一晶】

 「脱炭素社会の進展」「電気自動車(EV)の普及」が、今後の自社の事業に影響を与えると考えている県内企業は、全国平均よりも高いことが帝国データバンク名古屋支店の調査で判明した。特にEVに関しては「プラスの影響」が県内は14・5%で全国が13・4%と1・1ポイントのプラスだったのに対し、「マイナスの影響」は県内が21・4%、全国が14・9%と6・5ポイント上回った=円グラフ。保守的な経営思考が強いこと、自動車関連産業が集積することの相乗効果とみられる。
 調査は今年6月、県内に本社を置く1348社を対象に実施、588社から回答を得た(回答率43・6%)。全国では回答率46・8%。
 それによると、脱炭素社会の進展を「プラスの影響」とした県企業は16・2%で全国(14・8%)を1・4ポイント上回った。「マイナス」の県企業は18・9%で全国(16・1%)を2・8ポイント上回った。「影響はない」は 32・0%。
 脱炭素社会の進展もEVの普及も、ともに自社の事業への影響を受けるとみている割合は、全国よりも高くなった。
 「自動車のEV化に向け、インフラ整備一環としてマンションや集合住宅娯楽場などへの充電設備の販売に力を入れている」(サービス)など前向きな声もある一方で、「EV化は工作機械に携わる人の仕事を奪うことにつながりそう」(製造)、「今後、EVの拡張が予想され工作機械のセールスが非常に不安」(卸売)などの声があった。自動車産業の集積地である県内では、EV化による従来のサプライチェーンの縮小や必要な部品の変化は製造業以外にもマイナスの影響が及ぶ可能性がある。
 一方、政府が進める「スマートシティ」への取り組みについて、どのような分野に興味・関心があるか尋ねたところ、エネルギー、上下水、リサイクルなどを地域内で最適管理するといった「エネルギー、水、廃棄物分野」が 41・0%で最多となった(複数回答)。以下、「自動走行・自動配送分野」(29・4%)、災害の情報をリアルタイムで取得・発信し、迅速な避難・復旧を実現する「防災分野」(29・1%)と続いた。ICTのデータ活用で健康寿命を延伸することなどを含む「健康・医療・介護分野」は21・3だった。
 帝国データ名古屋支店は「脱炭素社会の進展やEVの普及は、今後の動きを事業拡大のチャンスと捉え、先進的な発展を期待する声もあったが、EVは自動車産業の集積地である県では慎重な見方をしている企業が多いことが明らかとなった」としている。
【山田一晶】

県内企業はEVに慎重論

カテゴリー:社会・経済

 PR

PR