勝負スイーツはフルーツたっぷり 田原の角上楼で囲碁名人戦

　囲碁の第46期名人戦七番勝負の第３局が15、16日の両日、田原市福江町の老舗旅館「角上楼」であり、挑戦者の一力遼天元（24）が井山裕太名人（32）に勝って対戦成績を２勝１敗とした。２年ぶりの大舞台誘致で旅館は対局中の食事とともに「おやつ」も担当。頭脳戦で疲れを癒やす“勝負スイーツ”とは。
　両日とも、おやつは共通のメニューを午後３時に提供した。初日はメロンや柿などの果物とイチゴのショートケーキに栗きんとん。２日目は温室みかんと柿などにチョコレートケーキ、煮凝りで固めた栗だった。
　果物の盛り合わせは２人の要望で、見た目の華やかさも気を配り、和洋折衷のスイーツを組み立てた。和菓子は旅館の上村純士社長の親族が岐阜県で営む老舗「すや」から調達した。
　名人担当の征矢野修支配人によると、小食の井山名人は時間を置いてゆっくり味わい、若い一力天元はおう盛な食欲で対照的。征矢野支配人は「食材はもちろん、色や見栄えのバランスも重視して献立を決めた。地場産品や旅館の特色を出せたのでは」と話す。
　角上楼は２０１６年から名人戦の対局会場に選ばれ、ほぼ隔年で開かれている。
【加藤広宣】