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不法行為の豊橋養鶉農協組合長らに3億円賠償請求

記者会見で説明する原告の河合さん㊧と杉井弁護士=豊橋市役所で
記者会見で説明する原告の河合さん㊧と杉井弁護士=豊橋市役所で
不法行為の豊橋養鶉農協組合長らに3億円賠償請求

 「豊橋うずら」のブランドを持つ全国唯一のウズラ専門農協「豊橋養鶉農協」(豊橋市西幸町)の運営を巡り、幡野喜一組合長ら一部役員が組織を私物化し、不法行為で組合に損害を与えたとして、組合員2人が22日、元職を含む理事6人を相手取り、組合に約3億円を賠償するよう求める組合員代表訴訟を名古屋地裁豊橋支部に起こした。【加藤広宣】
 元理事の河合章幹さんと原告代理人の杉井静子弁護士(ひめしゃら法律事務所)らがこの日、豊橋市役所で記者会見し、提訴の経緯などを説明した。
 訴状などによると、幡野組合長らは就任3年後の2014年から無効な理事会決議に基づき、自身が営む「幡野ファーム」(南大清水町)を優遇する運営により、多額の利益をあげていたとしている。
 組合理事会に父や兄弟のほか、組合や自社の顧問税理士の会計事務所を共同経営するコンサルタントを理事に迎え、恣意的な人事で理事会の発言力を強めたという。また、組合の完全子会社「豊橋養鶉」を通じ、不明瞭なコンサルティング料金を支払わせた。さらに顧問税理士と取引先の飼料会社社長を加えた「経営会議」で、子会社を介して組合運営と、意思決定を支配する仕組みを作り上げたと主張する。
 これにより、自身や弟らの役員報酬を不当に支給させ、ウズラ卵の生産や販売に関わる協力金や奨励金など架空の補助を払わせたとされる。この他、顧問税理士とともに、組合への融資を巡る粉飾決算や自社への迂回融資などの関与も指摘されている。
 河合さんら組合員有志は昨年5月、幡野組合長らの不法行為について県に検査請求し、同10月に県知事が出した組合検査通知書の「主要指摘メモ」で、多くの法令違反や定款違反を認定した。これに対し組合が提出した報告書でも、指摘された違反行為をおおむね認めているという。
 原告ら組合員は、組合による理事らの提訴を求めたが聞き入れられず、関係書類の開示請求にも応じないため提訴。地裁支部はすでに、原告の申し立てを受けて7月9日に組合事務所の関係書類などを証拠保全した。
 会見で河合さんは「最初に聞いた時は耳を疑った。刑事告発より代表訴訟を優先させたのは、裁判所の証拠保全で事実を明らかにする必要があったため。まずは組合の立て直しが欠かせず、社会に問う意味も込めて提訴した」と提訴に至った経緯と意義を説明した。
 被告側は「訴状が届いていないので、コメントは差し控えます」としている。

 「豊橋うずら」のブランドを持つ全国唯一のウズラ専門農協「豊橋養鶉農協」(豊橋市西幸町)の運営を巡り、幡野喜一組合長ら一部役員が組織を私物化し、不法行為で組合に損害を与えたとして、組合員2人が22日、元職を含む理事6人を相手取り、組合に約3億円を賠償するよう求める組合員代表訴訟を名古屋地裁豊橋支部に起こした。【加藤広宣】
 元理事の河合章幹さんと原告代理人の杉井静子弁護士(ひめしゃら法律事務所)らがこの日、豊橋市役所で記者会見し、提訴の経緯などを説明した。
 訴状などによると、幡野組合長らは就任3年後の2014年から無効な理事会決議に基づき、自身が営む「幡野ファーム」(南大清水町)を優遇する運営により、多額の利益をあげていたとしている。
 組合理事会に父や兄弟のほか、組合や自社の顧問税理士の会計事務所を共同経営するコンサルタントを理事に迎え、恣意的な人事で理事会の発言力を強めたという。また、組合の完全子会社「豊橋養鶉」を通じ、不明瞭なコンサルティング料金を支払わせた。さらに顧問税理士と取引先の飼料会社社長を加えた「経営会議」で、子会社を介して組合運営と、意思決定を支配する仕組みを作り上げたと主張する。
 これにより、自身や弟らの役員報酬を不当に支給させ、ウズラ卵の生産や販売に関わる協力金や奨励金など架空の補助を払わせたとされる。この他、顧問税理士とともに、組合への融資を巡る粉飾決算や自社への迂回融資などの関与も指摘されている。
 河合さんら組合員有志は昨年5月、幡野組合長らの不法行為について県に検査請求し、同10月に県知事が出した組合検査通知書の「主要指摘メモ」で、多くの法令違反や定款違反を認定した。これに対し組合が提出した報告書でも、指摘された違反行為をおおむね認めているという。
 原告ら組合員は、組合による理事らの提訴を求めたが聞き入れられず、関係書類の開示請求にも応じないため提訴。地裁支部はすでに、原告の申し立てを受けて7月9日に組合事務所の関係書類などを証拠保全した。
 会見で河合さんは「最初に聞いた時は耳を疑った。刑事告発より代表訴訟を優先させたのは、裁判所の証拠保全で事実を明らかにする必要があったため。まずは組合の立て直しが欠かせず、社会に問う意味も込めて提訴した」と提訴に至った経緯と意義を説明した。
 被告側は「訴状が届いていないので、コメントは差し控えます」としている。

記者会見で説明する原告の河合さん㊧と杉井弁護士=豊橋市役所で
記者会見で説明する原告の河合さん㊧と杉井弁護士=豊橋市役所で
不法行為の豊橋養鶉農協組合長らに3億円賠償請求

カテゴリー:社会・経済

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