文字の大きさ

会社の未来を後継者へ

5年後を見据えて社長交代に入った丹羽英之社長と宏文さん㊧=豊橋市牛川通1のセントグリーンで
5年後を見据えて社長交代に入った丹羽英之社長と宏文さん㊧=豊橋市牛川通1のセントグリーンで
金融機関も交えた支援センター専門員とのヒアリング
金融機関も交えた支援センター専門員とのヒアリング

 事業者の後継者不足を背景に、豊橋商工会議所に「県事業承継・引継ぎ支援センター」のサテライトオフィスが開所して半年が経った。大企業とは異なり、権限や情報が個人に集中する中小企業では引き継ぎの的確さが会社の未来を左右しかねない。不透明な先行きに備えて先手を打つ地元企業も出てきた。
 豊橋市牛川通1の造園会社「セントグリーン」を営む丹羽英之社長(59)は今春から、後継者問題を意識し始めた。次男で取締役の宏文さん(29)は3年前に入社。現場作業も一通り任せられるようになり、会社経営について話す機会も増えたという。
 「元気なうちに後継者を育てたいが、何から手を付ければいいかも分からなかった」と英之社長は振り返る。
 取引先の豊橋信用金庫東支店(佐々木敦基支店長)を通じて4月から、豊橋サテライトオフィスとの三者連携の承継に取り組んでいる。
 金融機関が持つ情報網を生かし、支援センターの中小企業診断士らが当事者との聴き取りを重ねて課題を洗い出した。計画表を元に、向こう5年の実施期間に入った。
 計画書でも指摘する当面の課題は人材不足。屋外での厳しい現場仕事に加え、土、日曜の休みも難しい勤務体系は若者から敬遠されやすい。この5年間でハローワークの求人は反応がなく、求人広告も応募者は1人だったという。
 後継者として宏文さんは「将来は会社規模を大きくしたい」と意気込む一方、「後継者としての意識が高まった。将来的に参謀役を担う人材も必要と感じる」と話す。
 今後は工事計画や見積もりの作成、公共入札や新規開拓など洗い直した山積みの経営課題に取り組んでいく。
 支援センター豊橋サテライトの小林茂夫サブマネジャー(中小企業診断士)は「代表者が元気なうちは気付きづらい。時期を誤ると手遅れになるのが恐ろしい」と指摘する。計画の修正も織り込んで5~10年の助走期間で当事者が伴走することが望ましいという。
 小林マネジャーは「承継は会社の状態を見つめ直すいい機会。先送りしてはいけない」と呼び掛ける。
【加藤広宣】

 事業者の後継者不足を背景に、豊橋商工会議所に「県事業承継・引継ぎ支援センター」のサテライトオフィスが開所して半年が経った。大企業とは異なり、権限や情報が個人に集中する中小企業では引き継ぎの的確さが会社の未来を左右しかねない。不透明な先行きに備えて先手を打つ地元企業も出てきた。
 豊橋市牛川通1の造園会社「セントグリーン」を営む丹羽英之社長(59)は今春から、後継者問題を意識し始めた。次男で取締役の宏文さん(29)は3年前に入社。現場作業も一通り任せられるようになり、会社経営について話す機会も増えたという。
 「元気なうちに後継者を育てたいが、何から手を付ければいいかも分からなかった」と英之社長は振り返る。
 取引先の豊橋信用金庫東支店(佐々木敦基支店長)を通じて4月から、豊橋サテライトオフィスとの三者連携の承継に取り組んでいる。
 金融機関が持つ情報網を生かし、支援センターの中小企業診断士らが当事者との聴き取りを重ねて課題を洗い出した。計画表を元に、向こう5年の実施期間に入った。
 計画書でも指摘する当面の課題は人材不足。屋外での厳しい現場仕事に加え、土、日曜の休みも難しい勤務体系は若者から敬遠されやすい。この5年間でハローワークの求人は反応がなく、求人広告も応募者は1人だったという。
 後継者として宏文さんは「将来は会社規模を大きくしたい」と意気込む一方、「後継者としての意識が高まった。将来的に参謀役を担う人材も必要と感じる」と話す。
 今後は工事計画や見積もりの作成、公共入札や新規開拓など洗い直した山積みの経営課題に取り組んでいく。
 支援センター豊橋サテライトの小林茂夫サブマネジャー(中小企業診断士)は「代表者が元気なうちは気付きづらい。時期を誤ると手遅れになるのが恐ろしい」と指摘する。計画の修正も織り込んで5~10年の助走期間で当事者が伴走することが望ましいという。
 小林マネジャーは「承継は会社の状態を見つめ直すいい機会。先送りしてはいけない」と呼び掛ける。
【加藤広宣】

5年後を見据えて社長交代に入った丹羽英之社長と宏文さん㊧=豊橋市牛川通1のセントグリーンで
5年後を見据えて社長交代に入った丹羽英之社長と宏文さん㊧=豊橋市牛川通1のセントグリーンで
金融機関も交えた支援センター専門員とのヒアリング
金融機関も交えた支援センター専門員とのヒアリング

カテゴリー:社会・経済

 PR

PR