緊迫する朝鮮半島情勢

有事に　どう身を守るか

　朝鮮半島情勢の緊張度が日増しに高まっている。先制攻撃も辞さない米国トランプ政権に対し、弾道ミサイル発射を強行し、核実験の実施もにおわせ、一歩も引かない北朝鮮。戦争となれば、日本が巻き込まれる恐れがある。有事に、どう身を守るか。不安は東三河にも徐々に広がっている。
　戦争が始まった場合、米国と同盟を結ぶ日本に矛先が向けられる可能性は十分にある。沖縄など米軍基地のある地域が標的に挙げられるが、どの地域が攻撃されても不思議ではない。
　東三河の各自治体では全国瞬時警報システム（Ｊアラート）を導入している。Ｊアラートは、国がつかんだ武力攻撃や大津波など差し迫った危険を、人工衛星を介して各市町村の庁舎に伝達するシステム。弾道ミサイルなどの緊急情報は、内閣官房から総務省消防庁を通して市町村に提供され、各地の防災行政無線や携帯メール、ケーブルテレビやコミュニティＦＭなどで自動的に起動される。
　「ブーーー」という音の「国民保護サイレン」と共に「ミサイル発射情報。当地域に着弾する可能性があります。屋内に避難し、テレビ・ラジオをつけてください」というアナウンスが流れる。
　また、緊急情報ネットワークシステム（エムネット）という手段も整備されており、政府から各地自治体や報道機関に情報が素早く伝達される。「発射情報」の後、ミサイルが上空を通過しただけの場合は「通過情報」を発信。日本の領土・領海に落ちてくる可能性がある場合は、「屋内避難」が指示される。
　総務省消防庁は、弾道ミサイル攻撃の場合の屋内避難の実施要領として、コンクリートの堅ろうな建物か、建物の中央部へ避難し、エアコンや換気扇を停止し外気を遮断させることを推奨。外出先では大規模集客施設や地下街などの屋内に避難することを勧めている。
　18日までに、東三河の各自治体や、陸上自衛隊豊川駐屯地では目立った対策や動きはみられないが、駐屯地のある豊川市の防災担当者は「今後、さらに情勢が緊迫化すれば市民からの問い合わせも考えられる。引き続き情勢を注視していきたい」としている。
（取材班）