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藤城さんが渥美半島の海岸線図説を出版

本をPRする藤城さん
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 田原市の元教員、藤城信幸さんが「図説-渥美半島 太平洋岸の海岸線を追う」を出版した。神野教育財団の助成を受けた。2019年の「図説-渥美半島 地形・地質とくらし」の続編。
 表浜海岸の海岸線は毎年1㍍ずつ後退していると、さまざまな資料で指摘されている。本書は地図や古文書などの記述と照らし合わせ、それが事実かどうか検証している。シンプリブックス刊、税別1400円。精文館や豊川堂で取り扱っている。
 前編で60年前の海岸線付近の写真や、湖西市長谷元屋敷遺跡の度重なる津波被害の跡から「渥美半島太平洋岸の侵食量は従来いわれた年間0・4~1・0㍍よりもずっと少ない可能性がある」と疑問を投げかけた藤城さん。
 今回は60~160年前の地図や江戸時代の古文書から、より詳細に変化を追跡した。その結果、波浪による日常的な影響は限定的と判断。砂浜の後退は、天竜川の開発による土砂の減少などが主因で、海岸付近の崖の後退は100~150年周期で起きる南海トラフ地震が大きな要因であるとした。
 藤城さんは「ぜひ、地元の人に手に取って読んでもらいたい」と話す。豊川用水の発展以降、漁業人口は大幅に減り、地元の人が海岸に行くことも少なくなった。「自分たちが住む渥美半島に、もっと興味を持ってほしい」と語る。南海トラフ地震でも、海岸は崖崩れが起きる可能性が高く、崖沿いの道を駆け上がっての避難は難しいとして、海岸利用者向けの防災訓練のあり方にも警鐘を鳴らした。
【岸侑輝】

 田原市の元教員、藤城信幸さんが「図説-渥美半島 太平洋岸の海岸線を追う」を出版した。神野教育財団の助成を受けた。2019年の「図説-渥美半島 地形・地質とくらし」の続編。
 表浜海岸の海岸線は毎年1㍍ずつ後退していると、さまざまな資料で指摘されている。本書は地図や古文書などの記述と照らし合わせ、それが事実かどうか検証している。シンプリブックス刊、税別1400円。精文館や豊川堂で取り扱っている。
 前編で60年前の海岸線付近の写真や、湖西市長谷元屋敷遺跡の度重なる津波被害の跡から「渥美半島太平洋岸の侵食量は従来いわれた年間0・4~1・0㍍よりもずっと少ない可能性がある」と疑問を投げかけた藤城さん。
 今回は60~160年前の地図や江戸時代の古文書から、より詳細に変化を追跡した。その結果、波浪による日常的な影響は限定的と判断。砂浜の後退は、天竜川の開発による土砂の減少などが主因で、海岸付近の崖の後退は100~150年周期で起きる南海トラフ地震が大きな要因であるとした。
 藤城さんは「ぜひ、地元の人に手に取って読んでもらいたい」と話す。豊川用水の発展以降、漁業人口は大幅に減り、地元の人が海岸に行くことも少なくなった。「自分たちが住む渥美半島に、もっと興味を持ってほしい」と語る。南海トラフ地震でも、海岸は崖崩れが起きる可能性が高く、崖沿いの道を駆け上がっての避難は難しいとして、海岸利用者向けの防災訓練のあり方にも警鐘を鳴らした。
【岸侑輝】

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カテゴリー:社会・経済

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