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オシドリにドングリを 拾い集める豊橋の2団体

カテゴリー:特集

伊藤徹さんを囲む早朝ラジオ体操の会メンバー。手前は集めたドングリの袋=緑ヶ丘公園で
伊藤徹さんを囲む早朝ラジオ体操の会メンバー。手前は集めたドングリの袋=緑ヶ丘公園で
ドングリをついばむオシドリ(提供)
ドングリをついばむオシドリ(提供)

 渡り鳥のオシドリの餌として、以前からドングリを拾い集めているグループがある。豊橋市忠興町内の早朝ラジオ体操「緑ヶ丘ジャンボ公園グループ」(鈴木武和会長)と「花の木公園グループ」(河合禎子会長)で、計30人余りの仲間だ。
 餌を送る場所は、設楽町田峯の伊藤徹さん(71)宅にある旧製材所跡地、通称「おしどりの里」だ。オシドリは10月中頃から豊川に沿った作業場付近に渡来してくるといい、伊藤さんは舞い降りる周辺の環境保全に力を入れながら鳥たちの面倒を見ている。
 両グループでは年末の餌が乏しくなるこの時期から、ラジオ体操後に公園内のドングリを拾い集め、伊藤さんに贈っている。今年は36袋660㌔をプレゼントした。
 「最近ではうわさを聞き、遠く杉山校区の人からも届けてくれている」と鈴木会長ら。「会員の協力をいただき、これからも継続して広げていきたい」と話していた。
 伊藤さんは両グループの厚意に感謝しながら、「高齢になった両親の面倒を見るため、定年退職後の62歳の時、住んでいた神奈川から帰省した。父が三十数年やってきたことを仕方なく継いだが、今はそんなことはない。この8年、支援してくれる幼なじみやボランティアの仲間も増えた。5年前に父は他界したが、この鳥たちの面倒をみることが生きがいとなるよう導いてくれたのだと思っている」と、ドングリを手に父への感謝などを語った。
 オシドリが北へ帰る3月中頃までに、1日約100㌔、半年で約12~15㌧の餌をまくという。「この地域には300~400羽のオシドリが来るようだが、ここは40~50羽だ。それでも多くの人が観察に来ると、オシドリは警戒して飛んでこないし、人がいなくてもタカの姿が見えると餌のある梅ケ枝淵には寄り付かず、森の中で静かに待っている。『オシドリがいないじゃないか』と文句を言う人がいるが、餌付けをしているわけではないので理解してほしい」と話す。
 テレビ局から2度取材の依頼があったが「オシドリが確実にいるとは限らないので」と断っている。自然のまま「餌が多くある淵にオシドリやマガモなどの野鳥がついばみに来る情景」でいいと伊藤さん。「餌はドングリだけでは足らないので、古米やくず米、豆類、その他の穀物なども混ぜている。持ち出しも多いが、意義を理解してくれる人たちの協力を得ながら、自然環境保護のために少しでもお役に立てれば」と思いを話した。
【原基修】

 渡り鳥のオシドリの餌として、以前からドングリを拾い集めているグループがある。豊橋市忠興町内の早朝ラジオ体操「緑ヶ丘ジャンボ公園グループ」(鈴木武和会長)と「花の木公園グループ」(河合禎子会長)で、計30人余りの仲間だ。
 餌を送る場所は、設楽町田峯の伊藤徹さん(71)宅にある旧製材所跡地、通称「おしどりの里」だ。オシドリは10月中頃から豊川に沿った作業場付近に渡来してくるといい、伊藤さんは舞い降りる周辺の環境保全に力を入れながら鳥たちの面倒を見ている。
 両グループでは年末の餌が乏しくなるこの時期から、ラジオ体操後に公園内のドングリを拾い集め、伊藤さんに贈っている。今年は36袋660㌔をプレゼントした。
 「最近ではうわさを聞き、遠く杉山校区の人からも届けてくれている」と鈴木会長ら。「会員の協力をいただき、これからも継続して広げていきたい」と話していた。
 伊藤さんは両グループの厚意に感謝しながら、「高齢になった両親の面倒を見るため、定年退職後の62歳の時、住んでいた神奈川から帰省した。父が三十数年やってきたことを仕方なく継いだが、今はそんなことはない。この8年、支援してくれる幼なじみやボランティアの仲間も増えた。5年前に父は他界したが、この鳥たちの面倒をみることが生きがいとなるよう導いてくれたのだと思っている」と、ドングリを手に父への感謝などを語った。
 オシドリが北へ帰る3月中頃までに、1日約100㌔、半年で約12~15㌧の餌をまくという。「この地域には300~400羽のオシドリが来るようだが、ここは40~50羽だ。それでも多くの人が観察に来ると、オシドリは警戒して飛んでこないし、人がいなくてもタカの姿が見えると餌のある梅ケ枝淵には寄り付かず、森の中で静かに待っている。『オシドリがいないじゃないか』と文句を言う人がいるが、餌付けをしているわけではないので理解してほしい」と話す。
 テレビ局から2度取材の依頼があったが「オシドリが確実にいるとは限らないので」と断っている。自然のまま「餌が多くある淵にオシドリやマガモなどの野鳥がついばみに来る情景」でいいと伊藤さん。「餌はドングリだけでは足らないので、古米やくず米、豆類、その他の穀物なども混ぜている。持ち出しも多いが、意義を理解してくれる人たちの協力を得ながら、自然環境保護のために少しでもお役に立てれば」と思いを話した。
【原基修】

伊藤徹さんを囲む早朝ラジオ体操の会メンバー。手前は集めたドングリの袋=緑ヶ丘公園で
伊藤徹さんを囲む早朝ラジオ体操の会メンバー。手前は集めたドングリの袋=緑ヶ丘公園で
ドングリをついばむオシドリ(提供)
ドングリをついばむオシドリ(提供)

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