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休校など校名公表に東三河でも判断の差

学級閉鎖を伝える蒲郡市のプレスリリース。校名は出ていない
学級閉鎖を伝える蒲郡市のプレスリリース。校名は出ていない

コロナ情報開示とプライバシー保護

 オミクロン株による新型コロナウイルスの感染拡大で、児童生徒が陽性となり、臨時休校や学級閉鎖になる学校が増えている。日々の発表を見ていると、東三河地方の中でも、学校名を出す市とそうでないところがある。理由を聞いてみた。
 豊橋市は、児童生徒が陽性となった場合、校名のみを出すことで、陽性となった人のプライバシーを守っている。保護者にはもう少し詳しい情報を伝える。「校名を伏せることで、ありもしないことがうわさとして飛び交い、かえって市民の不安をあおることになりかねない」と担当者は説明する。
 豊川市は「保護者に休業や閉鎖を連絡しているため、遠からず市民の知るところとなる。公表しないと変な憶測を呼びかねない」と説明した。校名だけなら個人の特定には至らないという判断だ。さらに、効果は分からないとしながらも、校名を出すことによる注意喚起の意味も込めているという。
 田原市は「できるなら伏せたい」。だが、学校を公表しないと、詮索しようとする人が出てくることを懸念する。発表によっては個人が特定される懸念がある小規模校が市内にある。「保護者への連絡も、細かく公表内容を変えて、個人が特定されないようにしている」と担当者。
 非公表の蒲郡市は「小さいまちなので子どもが特定される可能性がある。陽性になった家族や子どもが不利益にならないようにしている」と理由を説明する。一方で、以前の発表は「関係者」としか表記しなかったが、現在は教員か児童生徒のどちらが陽性になったのかを明記するようになった。
 新城市は学校全体が休業となった場合に校名を公表する。しかし、学年や学級の閉鎖は、小規模校の児童生徒が特定される恐れがあるため、学校名を出していない。
 豊橋市立中学校に通う男子生徒の母は「学校では臨時休校などはないが、その場合は広く知らせたほうがいいと思う。小学校区とその保護者にとって、感染防止に役立つ」と話した。
 また、別の中学校に通う娘を持つ50代の父は「学校名は公表してもらいたい。その地域にはなるべく行かないようにするなど、行動に気を付けることができる。学校名が公表されることになっても致し方ないと思う」と述べた。 情報公開と、陽性となった人のプライバシー保護の間で悩んだ結果だった。同じ市内でも学校規模の大小があり、どこまで公表するかの判断は悩ましいようだ。何らかの落ち度がなくても感染することがあるコロナウイルス。中傷や無用の特定などはやめるべきだ。
【山田一晶、林大二朗】

コロナ情報開示とプライバシー保護

 オミクロン株による新型コロナウイルスの感染拡大で、児童生徒が陽性となり、臨時休校や学級閉鎖になる学校が増えている。日々の発表を見ていると、東三河地方の中でも、学校名を出す市とそうでないところがある。理由を聞いてみた。
 豊橋市は、児童生徒が陽性となった場合、校名のみを出すことで、陽性となった人のプライバシーを守っている。保護者にはもう少し詳しい情報を伝える。「校名を伏せることで、ありもしないことがうわさとして飛び交い、かえって市民の不安をあおることになりかねない」と担当者は説明する。
 豊川市は「保護者に休業や閉鎖を連絡しているため、遠からず市民の知るところとなる。公表しないと変な憶測を呼びかねない」と説明した。校名だけなら個人の特定には至らないという判断だ。さらに、効果は分からないとしながらも、校名を出すことによる注意喚起の意味も込めているという。
 田原市は「できるなら伏せたい」。だが、学校を公表しないと、詮索しようとする人が出てくることを懸念する。発表によっては個人が特定される懸念がある小規模校が市内にある。「保護者への連絡も、細かく公表内容を変えて、個人が特定されないようにしている」と担当者。
 非公表の蒲郡市は「小さいまちなので子どもが特定される可能性がある。陽性になった家族や子どもが不利益にならないようにしている」と理由を説明する。一方で、以前の発表は「関係者」としか表記しなかったが、現在は教員か児童生徒のどちらが陽性になったのかを明記するようになった。
 新城市は学校全体が休業となった場合に校名を公表する。しかし、学年や学級の閉鎖は、小規模校の児童生徒が特定される恐れがあるため、学校名を出していない。
 豊橋市立中学校に通う男子生徒の母は「学校では臨時休校などはないが、その場合は広く知らせたほうがいいと思う。小学校区とその保護者にとって、感染防止に役立つ」と話した。
 また、別の中学校に通う娘を持つ50代の父は「学校名は公表してもらいたい。その地域にはなるべく行かないようにするなど、行動に気を付けることができる。学校名が公表されることになっても致し方ないと思う」と述べた。 情報公開と、陽性となった人のプライバシー保護の間で悩んだ結果だった。同じ市内でも学校規模の大小があり、どこまで公表するかの判断は悩ましいようだ。何らかの落ち度がなくても感染することがあるコロナウイルス。中傷や無用の特定などはやめるべきだ。
【山田一晶、林大二朗】

学級閉鎖を伝える蒲郡市のプレスリリース。校名は出ていない
学級閉鎖を伝える蒲郡市のプレスリリース。校名は出ていない

カテゴリー:社会・経済 / 政治・行政

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