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習い始めて7年での快挙 豊橋市民展大賞の横江さん

作品「終着駅」と横江さん=豊橋市美術博物館で
作品「終着駅」と横江さん=豊橋市美術博物館で

 豊橋市民展の洋画部門で大賞に輝いたのは、田原市伊川津町郷中の横江敏信さん(73)の水彩画で作品名は「終着駅」。生まれて初めて本格的に絵を習ってから7年での快挙だ。
 小学校の頃から絵が得意だった。写生大会は必ず入選していたし、町主催のポスターコンクールなどでは学校から出品を求められたほど。ただ、図画工作の授業以外で絵を学ぶ機会はなかった。部活は運動系で野球も名選手だったという。
 小学校6年生の時、横江さんら児童3人が学校の先生に連れられて、日展の名古屋会場を見学したことがあった。展示に刺激を受けた。高校を卒業して家業に就いてからも、美術展で気になるものがあれば、絵を鑑賞する習慣がついた。
 それでも絵筆を握ることはなかったが、13年前に妻を失った。周囲が気にして、地元の絵画教室「渥美なのはな絵画クラブ」に誘った。飲み仲間に話すと「60歳を過ぎて絵を習うなんて」と笑われた。戸惑いもあったが、65歳で入門した。
 クラブを主宰するのは白神和彦さん(70)。初めて教室に来た日、横江さんは3枚の水彩画を持参した。「決してうまくはなかったが、バイタリティーを感じた」と話す。月2回の教室で課題を出し、生徒は作品を仕上げる。白神さんが「努力家で粘り強い」という横江さんは、めきめきと腕を上げた。第69回展で奨励賞、70回展で特選を受賞、そして今回の大賞とステップアップした。
 「終着駅」は一昨年秋、豊橋駅でロケした。2時間粘って撮った写真を元に2回の習作を経て、100号の大作を半年かけて描き上げた。
 「城海津跨線橋」が画面を横切る。そこをくぐってくる電車のヘッドライト。手前で細密に描かれたレールや敷石が、奥に行くに従ってにじんでいく。
 大賞を取ると「卒業」となって市民展への応募はできなくなる。今後は一般の美術展の出品を目指す。「特定のジャンルにとらわれず、今後もいろいろ試したい」と意気込んでいる。
【山田一晶】

 豊橋市民展の洋画部門で大賞に輝いたのは、田原市伊川津町郷中の横江敏信さん(73)の水彩画で作品名は「終着駅」。生まれて初めて本格的に絵を習ってから7年での快挙だ。
 小学校の頃から絵が得意だった。写生大会は必ず入選していたし、町主催のポスターコンクールなどでは学校から出品を求められたほど。ただ、図画工作の授業以外で絵を学ぶ機会はなかった。部活は運動系で野球も名選手だったという。
 小学校6年生の時、横江さんら児童3人が学校の先生に連れられて、日展の名古屋会場を見学したことがあった。展示に刺激を受けた。高校を卒業して家業に就いてからも、美術展で気になるものがあれば、絵を鑑賞する習慣がついた。
 それでも絵筆を握ることはなかったが、13年前に妻を失った。周囲が気にして、地元の絵画教室「渥美なのはな絵画クラブ」に誘った。飲み仲間に話すと「60歳を過ぎて絵を習うなんて」と笑われた。戸惑いもあったが、65歳で入門した。
 クラブを主宰するのは白神和彦さん(70)。初めて教室に来た日、横江さんは3枚の水彩画を持参した。「決してうまくはなかったが、バイタリティーを感じた」と話す。月2回の教室で課題を出し、生徒は作品を仕上げる。白神さんが「努力家で粘り強い」という横江さんは、めきめきと腕を上げた。第69回展で奨励賞、70回展で特選を受賞、そして今回の大賞とステップアップした。
 「終着駅」は一昨年秋、豊橋駅でロケした。2時間粘って撮った写真を元に2回の習作を経て、100号の大作を半年かけて描き上げた。
 「城海津跨線橋」が画面を横切る。そこをくぐってくる電車のヘッドライト。手前で細密に描かれたレールや敷石が、奥に行くに従ってにじんでいく。
 大賞を取ると「卒業」となって市民展への応募はできなくなる。今後は一般の美術展の出品を目指す。「特定のジャンルにとらわれず、今後もいろいろ試したい」と意気込んでいる。
【山田一晶】

作品「終着駅」と横江さん=豊橋市美術博物館で
作品「終着駅」と横江さん=豊橋市美術博物館で

カテゴリー:社会・経済

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