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ウクライナ出身のアンドリー氏が講演

ロシアの軍事侵攻が日本に及ぼす影響について語るアンドリー氏=山本事務所で(提供)
ロシアの軍事侵攻が日本に及ぼす影響について語るアンドリー氏=山本事務所で(提供)

 若手経営者の政治経済経営勉強会「吉田塾」(塾長、山本明彦・元副金融担当相)は、豊橋市西松山町の山本事務所で第132回例会を開き、ウクライナ出身の国際政治学者グレンコ・アンドリー氏が講演した。ロシアのウクライナ侵攻をテーマに「むき出しになったロシアの野望」と題して、過去の経緯を踏まえて語った。
 アンドリー氏は首都キーウ(キエフ)出身。ロシアの今回の軍事行動について「ロシア指導者の思想的な影響が背景にある」と説いた。黒海を押さえたがっているという一部コメンテーターの発言に「本質とは違う」とした。その上で「指導者らは対話などの平和的解決は前提にない。ソビエト崩壊後に分散したロシア以外の国々を、不当に奪われたと考えている」と危うさを指摘した。
 中でも、ウクライナへのこだわりについて「同一民族の同じ国とみなしているが、民族だけでなく言葉や文化、料理なども違う」と強調。ロシア指導者の考えに「自分の領土を取り戻して当然との考えがある。悪いことと思っていないのが厄介だ」と非難した。また民間人を標的にした攻撃について「ウクライナの世論の切り崩しも狙っている」と分析した。
 度重なる過去の介入で失敗が続き、今回もウクライナの抵抗が続いている。こうした現状を踏まえ「停戦を視野に入れたにらみ合いが続く」と見通す一方、「ロシアは準備が整えば再び仕掛けてくる。奪った領土は手放さず、侵略への野心は変わらない。次の戦争はある」と断じた。
 ウクライナのゼレンスキー政権には「推し進めたインフラ政策の成果は一瞬で破壊された。脅威に備えて軍事費をもっと投じるべきだった」と指摘した。
 日本や国際社会に対してはロシアへの経済制裁を訴え、「国際社会で団結して戦争を止めてほしい」と願った。さらに中国の将来的な動きにも触れた。「中国はロシアの侵攻の行方を見ている。今回の暴挙が成功してしまえば、中国もこの侵略行為を肯定しかねない。台湾や日本など太平洋地域に悪影響を及ぼす。悪しき前例を作ってはいけない」と警鐘を鳴らした。その上で「太平洋地域に多国間で集団防衛体制をつくるべきだ」と訴えた。
【加藤広宣】

 若手経営者の政治経済経営勉強会「吉田塾」(塾長、山本明彦・元副金融担当相)は、豊橋市西松山町の山本事務所で第132回例会を開き、ウクライナ出身の国際政治学者グレンコ・アンドリー氏が講演した。ロシアのウクライナ侵攻をテーマに「むき出しになったロシアの野望」と題して、過去の経緯を踏まえて語った。
 アンドリー氏は首都キーウ(キエフ)出身。ロシアの今回の軍事行動について「ロシア指導者の思想的な影響が背景にある」と説いた。黒海を押さえたがっているという一部コメンテーターの発言に「本質とは違う」とした。その上で「指導者らは対話などの平和的解決は前提にない。ソビエト崩壊後に分散したロシア以外の国々を、不当に奪われたと考えている」と危うさを指摘した。
 中でも、ウクライナへのこだわりについて「同一民族の同じ国とみなしているが、民族だけでなく言葉や文化、料理なども違う」と強調。ロシア指導者の考えに「自分の領土を取り戻して当然との考えがある。悪いことと思っていないのが厄介だ」と非難した。また民間人を標的にした攻撃について「ウクライナの世論の切り崩しも狙っている」と分析した。
 度重なる過去の介入で失敗が続き、今回もウクライナの抵抗が続いている。こうした現状を踏まえ「停戦を視野に入れたにらみ合いが続く」と見通す一方、「ロシアは準備が整えば再び仕掛けてくる。奪った領土は手放さず、侵略への野心は変わらない。次の戦争はある」と断じた。
 ウクライナのゼレンスキー政権には「推し進めたインフラ政策の成果は一瞬で破壊された。脅威に備えて軍事費をもっと投じるべきだった」と指摘した。
 日本や国際社会に対してはロシアへの経済制裁を訴え、「国際社会で団結して戦争を止めてほしい」と願った。さらに中国の将来的な動きにも触れた。「中国はロシアの侵攻の行方を見ている。今回の暴挙が成功してしまえば、中国もこの侵略行為を肯定しかねない。台湾や日本など太平洋地域に悪影響を及ぼす。悪しき前例を作ってはいけない」と警鐘を鳴らした。その上で「太平洋地域に多国間で集団防衛体制をつくるべきだ」と訴えた。
【加藤広宣】

ロシアの軍事侵攻が日本に及ぼす影響について語るアンドリー氏=山本事務所で(提供)
ロシアの軍事侵攻が日本に及ぼす影響について語るアンドリー氏=山本事務所で(提供)

カテゴリー:社会・経済

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