豊橋公園の名称変更案公募に賛否

　豊橋市は今月末まで豊橋公園の名称変更案を公募している。市の史跡指定を機に市の象徴としての「吉田城」をアピールしたい考えだ。一方でＳＮＳなどでは変更への反対論も根強い。10日の定例記者会見で浅井由崇市長は「歴史資産としての認知度向上」を理由に名称変更の姿勢に変わりがないことを強調した。
　名称変更については４月５日付で募集案内を発表。市のホームぺージにも掲載したが、一時的に消えた。その後、26日に再び募集案内が発表された。
　応募方法は、応募者氏名や連絡先とともに「新しい公園名とその理由」を記入する。またポイントの一つとして「観光で訪れてもらえる」「地元の歴史をアピール」の点からの新しい名称を求めている。
　吉田城跡は３月に市史跡に指定された。２０１８年６月市議会では名称変更の発端となる議論があった。一般質問で史跡指定された場合の公園名変更の必要性について市議がただした。市側は「市民の期待が高まれば」として、新名称の検討もあり得るとの見方を示した。
　今回の公募開始後、ＮＰＯ法人「吉田城復元築城をめざす会」の代表者が、賛成の立場での寄稿文を本紙に寄せ、掲載された。寄稿では吉田城築城の背景から、戦後復興で建てられた黒鉄櫓（くろがねやぐら）のほか、歴史愛好家などが注目する石垣や土塁など現存する遺構の歴史的価値を強調。郷土への愛着や観光資源としての可能性についても触れている。
　一方、ＳＮＳの投稿では改名への反対論も根強い。70年以上にわたり慣れ親しんだ名称変更を惜しむ声のほか、「今さら名称変更の必要性が分からない」などの手厳しい意見もある。
　浅井市長は会見で「識者らの話を聞くと、吉田城跡の一角に豊橋公園があるということも分かってきた」と歴史的価値にも触れた。さらに「公募は人気投票ではなく、皆さんから参考意見を募る機会。専門家の意見も踏まえて絞り込みたい」と見通しを示した。
【加藤広宣】

本紙ツイッターでアンケート調査
　東愛知新聞社は、公式ツイッター＝ＱＲコード＝で11日正午から７日間、賛否などについてのアンケートを実施します。ご協力ください。