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愛大名誉教授の藤田さん「霞堤の研究」自費出版

霞堤の研究成果をまとめた藤田さん=東愛知新聞社で
霞堤の研究成果をまとめた藤田さん=東愛知新聞社で

 愛知大学名誉教授の藤田佳久さんが、「霞堤(かすみてい)の研究~豊川流域に生きている伝統的治水システム」(B5判、300㌻)を自費出版した。
 藤田さんは日本地理学会、歴史地理学会から学会賞を受賞している。豊川流域の霞堤研究を長年続けており、その集大成を一冊にまとめた。
 霞堤は、不連続な堤防。洪水時に堤防のない場所から一時的に水をあふれ出させ、下流域の洪水被害を防ぐ。豊川流域では江戸時代から整備が始まり、昭和30年代には、右岸と左岸に計9カ所があった。1965年に豊川放水路が完成すると、右岸側の5カ所は締め切られ、現在は左岸側の牛川、下条、賀茂、金沢の4カ所が残っている。明治期には堤防をすべて締め切ったが、各所で洪水が頻発。どこの堤防が決壊するか分からない状況になり、霞堤に戻した経緯がある。
 本書は10章で構成。霞堤を中心にした治水論や治水技術を全国的に展望し、豊川下流域の霞堤の歴史的成立過程と存立基盤を多面的に紹介する。
 藤田さんは「霞堤の中に住んでいる人はもちろん、豊川流域の人に読んでもらい、人間の知恵として生まれた氾濫対策を知ってもらいたい」と話す。
 2200円(税別)。豊川堂、精文館書店で。問い合わせは出版社の「あるむ」(052・332・0861)へ。
【竹下貴信】

 愛知大学名誉教授の藤田佳久さんが、「霞堤(かすみてい)の研究~豊川流域に生きている伝統的治水システム」(B5判、300㌻)を自費出版した。
 藤田さんは日本地理学会、歴史地理学会から学会賞を受賞している。豊川流域の霞堤研究を長年続けており、その集大成を一冊にまとめた。
 霞堤は、不連続な堤防。洪水時に堤防のない場所から一時的に水をあふれ出させ、下流域の洪水被害を防ぐ。豊川流域では江戸時代から整備が始まり、昭和30年代には、右岸と左岸に計9カ所があった。1965年に豊川放水路が完成すると、右岸側の5カ所は締め切られ、現在は左岸側の牛川、下条、賀茂、金沢の4カ所が残っている。明治期には堤防をすべて締め切ったが、各所で洪水が頻発。どこの堤防が決壊するか分からない状況になり、霞堤に戻した経緯がある。
 本書は10章で構成。霞堤を中心にした治水論や治水技術を全国的に展望し、豊川下流域の霞堤の歴史的成立過程と存立基盤を多面的に紹介する。
 藤田さんは「霞堤の中に住んでいる人はもちろん、豊川流域の人に読んでもらい、人間の知恵として生まれた氾濫対策を知ってもらいたい」と話す。
 2200円(税別)。豊川堂、精文館書店で。問い合わせは出版社の「あるむ」(052・332・0861)へ。
【竹下貴信】

霞堤の研究成果をまとめた藤田さん=東愛知新聞社で
霞堤の研究成果をまとめた藤田さん=東愛知新聞社で

カテゴリー:社会・経済

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