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イオンモール豊川、オープンから1カ月

カテゴリー:特集

オープンしたイオンモール豊川=豊川市白鳥町で
オープンしたイオンモール豊川=豊川市白鳥町で
にぎわう店内(4月4日撮影)
にぎわう店内(4月4日撮影)

懸念していた大渋滞もなく

 東三河最大規模の商業施設「イオンモール豊川」(豊川市白鳥町)がオープンして1カ月になる。店の売り上げや周辺の渋滞、雇用の影響などを聞いた。

■売り上げ
 関係者によれば、当初の想定通りに推移しているという。連日大勢の人が訪れ、人気の店は品切れになることもあり、飲食店は入店待ちの時間帯がある。
 専門店で構成する「イオンモール豊川同友店会」の高須大輔理事長(豊川堂社長)は、「ほとんどの店が想定通りか、それ以上の売り上げになっているのでは」と話す。豊川堂は児童書が順調に売れており、家族で来るケースが多い。高須理事長は「お客さんにリピーターになってもらうことが、これからの重要な取り組み」と意気込む。

■渋滞■
 ソフトオープンした3月30日を除き、目立った混雑は出ていないという。豊川署によれば、国道1号や県道国府馬場線(姫街道)まで影響する渋滞は4月28日まではないとする。
 懸念されていた救急車の搬送についても影響はなく、豊川市消防本部は、「開店前と同じ時間で市民病院へ搬送できている」と説明する。
 自転車での利用者が多いことや、豊川市などが渋滞対策で15億円余をかけて周辺道路を整備したことが奏功している。

■雇用
 当初言われていた3000人には届いていないようだが、多くの雇用が新たに生まれた。ハローワーク豊川を通して就職したパートは、豊川市内の居住者が全体の約75%を占める。年代は30~50代が中心だが、60歳以上も約15%いて、幅広い世代が働く。全体の約25%は求職活動をそれまでしていなかった人たちで、働いていなかった人が仕事をするきっかけになっている。また全体の約40%は在職者で、一部企業ではイオンに人を取られたことになる。
 一方で近隣の商業施設では、人手の確保に苦慮している。イオンモールに比べて時給が100円程度低くなっているといい、「今勤務しているパートが退職した時、新たな人材を確保できるのかが不安」と話す。
 またイオンはパートの時給を平均で7%上げるとしており、今後、地域の時給アップへとつながる可能性もある。

■悪いシナリオ■
 「専門店街の出店リストを見ると、20年ほどで撤退するのではないか」と予想する関係者もいる。この関係者の見通しは、「当初はモールが来店客でにぎわい、市内の個人店などが影響を受けて閉店する。その後、モールの売り上げが低迷して撤退する」とみる。「そうなれば、豊川の商店街がボロボロになり、さらにモールまでなくなる最悪の結果になる」と話す。
 これを防ぐには共存共栄の道しかないといい、「とても難しいが官民あげて取り組んでいくしかない」と力を込める。

■税収■
 豊川市にとって税収のプラスになる。竹本幸夫市長は先日の講演で、総工費が約200億円かかっているほか、専門店の豊川初進出などあることから、「少なくとも3億円の税収を見込んでいる」と説明した。

■利用者の声■
 「店の数が多く1度では回り切れない。何回も行きたい」「生鮮食品が良く、価格も良心的。日常的に利用したい」と高い評価をする人が多い。一方で「岡崎のイオンモールの方が良い」「興味のある店がなかった」などの声も一部にある。

■店の概要■
 3階建て延べ11万3000平方㍍で、専門店約190店が入る東三河最大規模の商業施設。東海地区初出店が21店、県内に本社のある店が51店ある。専門店は飲食店33、食品店20、アパレル39、雑貨64、サービス30、アミューズメント2、クリニック2の内訳になっている。
 スズキの豊川工場跡地に店舗を建設し、3月30日にソフトオープン、4月4日にグランドオープンした。
【竹下貴信】

懸念していた大渋滞もなく

 東三河最大規模の商業施設「イオンモール豊川」(豊川市白鳥町)がオープンして1カ月になる。店の売り上げや周辺の渋滞、雇用の影響などを聞いた。

■売り上げ
 関係者によれば、当初の想定通りに推移しているという。連日大勢の人が訪れ、人気の店は品切れになることもあり、飲食店は入店待ちの時間帯がある。
 専門店で構成する「イオンモール豊川同友店会」の高須大輔理事長(豊川堂社長)は、「ほとんどの店が想定通りか、それ以上の売り上げになっているのでは」と話す。豊川堂は児童書が順調に売れており、家族で来るケースが多い。高須理事長は「お客さんにリピーターになってもらうことが、これからの重要な取り組み」と意気込む。

■渋滞■
 ソフトオープンした3月30日を除き、目立った混雑は出ていないという。豊川署によれば、国道1号や県道国府馬場線(姫街道)まで影響する渋滞は4月28日まではないとする。
 懸念されていた救急車の搬送についても影響はなく、豊川市消防本部は、「開店前と同じ時間で市民病院へ搬送できている」と説明する。
 自転車での利用者が多いことや、豊川市などが渋滞対策で15億円余をかけて周辺道路を整備したことが奏功している。

■雇用
 当初言われていた3000人には届いていないようだが、多くの雇用が新たに生まれた。ハローワーク豊川を通して就職したパートは、豊川市内の居住者が全体の約75%を占める。年代は30~50代が中心だが、60歳以上も約15%いて、幅広い世代が働く。全体の約25%は求職活動をそれまでしていなかった人たちで、働いていなかった人が仕事をするきっかけになっている。また全体の約40%は在職者で、一部企業ではイオンに人を取られたことになる。
 一方で近隣の商業施設では、人手の確保に苦慮している。イオンモールに比べて時給が100円程度低くなっているといい、「今勤務しているパートが退職した時、新たな人材を確保できるのかが不安」と話す。
 またイオンはパートの時給を平均で7%上げるとしており、今後、地域の時給アップへとつながる可能性もある。

■悪いシナリオ■
 「専門店街の出店リストを見ると、20年ほどで撤退するのではないか」と予想する関係者もいる。この関係者の見通しは、「当初はモールが来店客でにぎわい、市内の個人店などが影響を受けて閉店する。その後、モールの売り上げが低迷して撤退する」とみる。「そうなれば、豊川の商店街がボロボロになり、さらにモールまでなくなる最悪の結果になる」と話す。
 これを防ぐには共存共栄の道しかないといい、「とても難しいが官民あげて取り組んでいくしかない」と力を込める。

■税収■
 豊川市にとって税収のプラスになる。竹本幸夫市長は先日の講演で、総工費が約200億円かかっているほか、専門店の豊川初進出などあることから、「少なくとも3億円の税収を見込んでいる」と説明した。

■利用者の声■
 「店の数が多く1度では回り切れない。何回も行きたい」「生鮮食品が良く、価格も良心的。日常的に利用したい」と高い評価をする人が多い。一方で「岡崎のイオンモールの方が良い」「興味のある店がなかった」などの声も一部にある。

■店の概要■
 3階建て延べ11万3000平方㍍で、専門店約190店が入る東三河最大規模の商業施設。東海地区初出店が21店、県内に本社のある店が51店ある。専門店は飲食店33、食品店20、アパレル39、雑貨64、サービス30、アミューズメント2、クリニック2の内訳になっている。
 スズキの豊川工場跡地に店舗を建設し、3月30日にソフトオープン、4月4日にグランドオープンした。
【竹下貴信】

オープンしたイオンモール豊川=豊川市白鳥町で
オープンしたイオンモール豊川=豊川市白鳥町で
にぎわう店内(4月4日撮影)
にぎわう店内(4月4日撮影)

カテゴリー:特集

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