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台風5号 東三河にも大きな爪痕

屋根が飛ばされた家の被害状況を確認する名古屋地方気象台の調査官ら=豊橋市前芝町で
屋根が飛ばされた家の被害状況を確認する名古屋地方気象台の調査官ら=豊橋市前芝町で
がれきを運ぶ市立前芝中学生徒ら=同
がれきを運ぶ市立前芝中学生徒ら=同
突風で屋根の瓦やカーポートの一部が飛ばされた民家=豊川市御津町で
突風で屋根の瓦やカーポートの一部が飛ばされた民家=豊川市御津町で

豊橋で竜巻被害

 豊橋市前芝町などを襲った突風被害から一夜明けた8日、名古屋地方気象台の職員3人が被害状況を確認し、原因などを調査、同気象台は「竜巻と推定される」と公表した。台風5号が残した被害の概要が明らかになる一方、一刻も早い復旧に向け、住民らは後片付けに追われた。
 竜巻は7日午後4時半ごろ発生。同市高洲町から豊川と豊川放水路を通り、豊川市方面へ抜けたとみられる。高洲、前芝、西浜、富久縞4町の約3㌔にわたり被害が発生。市災害対策本部のこれまでの調べで住宅など約30棟にのぼる。61歳の女性と65歳の男性、6歳の男の子の3人がけがをした。
 名古屋地方気象台は8日午後、3人の職員を現地に派遣。調査後、気象防災情報調整官の五十里勇人さんは、発生当時の気象について「台風5号の周辺に活発な雨雲が広がっており、積乱雲の一部が豊橋市に侵入し、激しい突風を引き起こしたと考えられる」と話した。
 市内では1999(平成11)年9月、同じく台風の影響で竜巻が発生し、負傷者415人、住宅全壊40棟にのぼる大きな被害が出た。
 7日夜、屋根瓦のほとんどが飛ばされた前芝町の宮本則央さん(59)宅では、近隣住民人や友人らが降りしきる雨の中、屋根の修理に奔走。停電した真っ暗な室内では、妻が子どもの思い出が詰まったアルバムを探していた。
 8日には、住民らと共に地元の市立前芝中学校生徒らがボランティアで片づけを進めていた。
 「通学路が別の場所になったみたい」。2年・本多天実さん(13)は、がれきを撤去しながら悲惨な町の様子に言葉を詰まらせた。
 日頃、防災教育に力を入れている前芝中の生徒たちは、学校側の呼び掛けで集合。朝から自主的に片づけをする生徒や卒業生を合わせると30人も集まった。
 青々と育つ水田には、フェンスや柵、瓦屋根などが沈み、生徒たちは足を濡らしながら拾い上げた。車がパンクしないよう路上の細かな瓦の破片も、丁寧に拾い上げた。
 2年・長山藍羅さん(13)は「早く元通りの生活に戻ってほしい」と願いながら汗を流した。

豊川御津町でも突風

 豊橋市前芝町から北に約3㌔離れた豊川市御津町でも、突風の被害が出た。
 7日午後7時前、東海道新幹線よりも東側に位置する御津町御馬や上佐脇地区の4世帯から、民家の屋根の瓦が飛ばされたり、玄関先や庭にあった家具が散乱するなどの被害が市に報告された。けが人はなかった。地元住民によると、突風の発生は午後3時半ごろだったという。
 仲田栄子さん(57)が母と2人で暮らす御馬の自宅では、約150枚の瓦と、駐車場を覆うカーポートの一部などが風で飛ばされ、家具も道路に散乱した。当時、仲田さんは外出しており、母が一人で家にいたが無事だった。「こんなことは初めて。ご近所さんも含めてけが人がなくてよかった」と話した。
 被害が出た地域にあり、78人の児童が通う御津南部保育園は、7日は休園日で子どもたちはいなかった。台風接近に備えてあらかじめ園庭の遊具なども固定するなどしていたため、施設に大きな被害はなかった。
 市は同日午後11時半に災害対策本部を廃止し、各地の避難所を閉鎖した。

県の被害まとめ

 県災害対策本部がまとめた台風5号による県内の被害(8日午前7時半現在)は、人的被害4人、住家被害4棟、道路の通行止め1か所だった。
 人的被害は豊橋市3人、一宮市1人で、豊橋市では65歳の男性が家の中で窓ガラスが割れて負傷したほか、車の後部座席にいた6歳の男児が車の窓ガラスが割れて負傷、家の中にいた61歳の女性が風で飛んできたレンガに当たって負傷した。
 住家被害は豊川市で4棟が一部損壊した。
 道路状況では、国道153号が豊田市明川町から同市小田木町間で上下線とも全面通行止めになった。
 一方、避難準備・高齢者等避難開始は田原市、北名古屋市、豊橋市、設楽町、新城市など9市町で出され、3市町村で避難所5カ所を開設したが、避難者は計13人(いずれも自主避難)だった。

豊橋で竜巻被害

 豊橋市前芝町などを襲った突風被害から一夜明けた8日、名古屋地方気象台の職員3人が被害状況を確認し、原因などを調査、同気象台は「竜巻と推定される」と公表した。台風5号が残した被害の概要が明らかになる一方、一刻も早い復旧に向け、住民らは後片付けに追われた。
 竜巻は7日午後4時半ごろ発生。同市高洲町から豊川と豊川放水路を通り、豊川市方面へ抜けたとみられる。高洲、前芝、西浜、富久縞4町の約3㌔にわたり被害が発生。市災害対策本部のこれまでの調べで住宅など約30棟にのぼる。61歳の女性と65歳の男性、6歳の男の子の3人がけがをした。
 名古屋地方気象台は8日午後、3人の職員を現地に派遣。調査後、気象防災情報調整官の五十里勇人さんは、発生当時の気象について「台風5号の周辺に活発な雨雲が広がっており、積乱雲の一部が豊橋市に侵入し、激しい突風を引き起こしたと考えられる」と話した。
 市内では1999(平成11)年9月、同じく台風の影響で竜巻が発生し、負傷者415人、住宅全壊40棟にのぼる大きな被害が出た。
 7日夜、屋根瓦のほとんどが飛ばされた前芝町の宮本則央さん(59)宅では、近隣住民人や友人らが降りしきる雨の中、屋根の修理に奔走。停電した真っ暗な室内では、妻が子どもの思い出が詰まったアルバムを探していた。
 8日には、住民らと共に地元の市立前芝中学校生徒らがボランティアで片づけを進めていた。
 「通学路が別の場所になったみたい」。2年・本多天実さん(13)は、がれきを撤去しながら悲惨な町の様子に言葉を詰まらせた。
 日頃、防災教育に力を入れている前芝中の生徒たちは、学校側の呼び掛けで集合。朝から自主的に片づけをする生徒や卒業生を合わせると30人も集まった。
 青々と育つ水田には、フェンスや柵、瓦屋根などが沈み、生徒たちは足を濡らしながら拾い上げた。車がパンクしないよう路上の細かな瓦の破片も、丁寧に拾い上げた。
 2年・長山藍羅さん(13)は「早く元通りの生活に戻ってほしい」と願いながら汗を流した。

豊川御津町でも突風

 豊橋市前芝町から北に約3㌔離れた豊川市御津町でも、突風の被害が出た。
 7日午後7時前、東海道新幹線よりも東側に位置する御津町御馬や上佐脇地区の4世帯から、民家の屋根の瓦が飛ばされたり、玄関先や庭にあった家具が散乱するなどの被害が市に報告された。けが人はなかった。地元住民によると、突風の発生は午後3時半ごろだったという。
 仲田栄子さん(57)が母と2人で暮らす御馬の自宅では、約150枚の瓦と、駐車場を覆うカーポートの一部などが風で飛ばされ、家具も道路に散乱した。当時、仲田さんは外出しており、母が一人で家にいたが無事だった。「こんなことは初めて。ご近所さんも含めてけが人がなくてよかった」と話した。
 被害が出た地域にあり、78人の児童が通う御津南部保育園は、7日は休園日で子どもたちはいなかった。台風接近に備えてあらかじめ園庭の遊具なども固定するなどしていたため、施設に大きな被害はなかった。
 市は同日午後11時半に災害対策本部を廃止し、各地の避難所を閉鎖した。

県の被害まとめ

 県災害対策本部がまとめた台風5号による県内の被害(8日午前7時半現在)は、人的被害4人、住家被害4棟、道路の通行止め1か所だった。
 人的被害は豊橋市3人、一宮市1人で、豊橋市では65歳の男性が家の中で窓ガラスが割れて負傷したほか、車の後部座席にいた6歳の男児が車の窓ガラスが割れて負傷、家の中にいた61歳の女性が風で飛んできたレンガに当たって負傷した。
 住家被害は豊川市で4棟が一部損壊した。
 道路状況では、国道153号が豊田市明川町から同市小田木町間で上下線とも全面通行止めになった。
 一方、避難準備・高齢者等避難開始は田原市、北名古屋市、豊橋市、設楽町、新城市など9市町で出され、3市町村で避難所5カ所を開設したが、避難者は計13人(いずれも自主避難)だった。

屋根が飛ばされた家の被害状況を確認する名古屋地方気象台の調査官ら=豊橋市前芝町で
屋根が飛ばされた家の被害状況を確認する名古屋地方気象台の調査官ら=豊橋市前芝町で
がれきを運ぶ市立前芝中学生徒ら=同
がれきを運ぶ市立前芝中学生徒ら=同
突風で屋根の瓦やカーポートの一部が飛ばされた民家=豊川市御津町で
突風で屋根の瓦やカーポートの一部が飛ばされた民家=豊川市御津町で

カテゴリー:社会・経済

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