北ミサイル 東三河も影響

　29日午前６時前、北朝鮮が弾道ミサイルを日本列島方向へ発射し、Ｊアラート（全国瞬時警報システム）が発動された。ミサイルは北海道上空を越えて太平洋上に落下したが、早朝の日本中に緊張が走った。
　Ｊアラートがミサイル落下の恐れのある地域として示したのは北海道と青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、長野の各県。東三河地方は対象地域ではなかったが、名鉄全線が約20分間運転を見合わせる影響が出た。ＪＲ東海は通常通り運行した。
　この地方ではスマートフォンやテレビに表示された速報で発射を知った人が多く、豊川市の主婦・高橋佐織さん（43）は「ミサイルが通過したのを聞いて、中学生の息子を部活動に送り出したけど、またミサイルを撃ってくるんじゃないかと心配になった。いざという時のために家の中の安全な場所を確認した」と明かした。　
　対象地区のうち、16市町村でサイレンが鳴らないなどのトラブルが起きた。予測なしに発射した北朝鮮の暴挙で、いつ東三河や東海地方も標的になるか分からない情勢だが、東三河５市は防災行政無線を使ったＪアラート訓練や、住民参加型の避難訓練を近日中に実施する予定はないという。
　ただ、年２回実施している総務省消防庁のＪアラート訓練が11月に予定され、いずれの自治体もそこで正常に起動するかを確認する方針だ。