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高齢者ドライバーと安全㊦

主力選手としてプレーする豊橋オールドボーイズの久世さん
主力選手としてプレーする豊橋オールドボーイズの久世さん

適度な運動で運転年齢若く

 60歳以上の選手がプレーする県還暦軟式野球リーグの豊橋オールドボーイズ。所属する38人のうち70歳以上は20人。中には80代もいるが、誰一人として運転免許は返納していない。
 地元の東田球場などで試合が行われる日は、各自マイカーで球場に集合する。県外へ遠征する際はマイクロバスを借りるが、県内の尾張地方などでの試合には乗り合わせで向かう。大きな事故を起こした人はいない。
 主力選手の久世松男さん(67)は「バッティングは動体視力が大事だからね。目は慣れているよ」と言う。週3日の練習が、車や歩行者、信号や標識を確認する視野はもちろん、グラウンドで打球を処理する際の反応も、運転席での反射神経を養っているようだ。
 昨今はアクセルとブレーキの踏み間違えによる事故も多い。これに、70歳以上の古希野球でも活躍する伊藤淳さん(78)は「オートマ車が普及したからではないか。マニュアル車しかなかった昔は考えられなかった。運転に集中しないといけないから」と言う。運転が単純操作で便利になった反面、事故も単純なミスで起きてしまう。
 高齢者だからといって、やたら免許の自主返納を勧めるのも見当違いだ。車を手放せば行動範囲が狭まり、やりがいが減り、体力は失われる。主力選手の河野裕さん(68)は「楽しみを奪われたらそれまで。毎日、家でテレビ番しとっちゃいかん」と言う。
 かつて豊橋商業高校で甲子園を経験し、中日ドラゴンズでプレーした尾崎時雄さん(80)は定期的なスポーツを勧める。「みんなユニホームを着てグラウンドに立てばガラッと変わる。10歳は若くなる。僕の周りの野球をやっとる人は、どんなに年を取っていてもしっかりしとるよ」。
 運転能力の低下が年齢に比例するとは一概には言えない。生活習慣と、体の変化に対する自覚が“運転年齢”を若くする。(おわり)
(由本裕貴)

適度な運動で運転年齢若く

 60歳以上の選手がプレーする県還暦軟式野球リーグの豊橋オールドボーイズ。所属する38人のうち70歳以上は20人。中には80代もいるが、誰一人として運転免許は返納していない。
 地元の東田球場などで試合が行われる日は、各自マイカーで球場に集合する。県外へ遠征する際はマイクロバスを借りるが、県内の尾張地方などでの試合には乗り合わせで向かう。大きな事故を起こした人はいない。
 主力選手の久世松男さん(67)は「バッティングは動体視力が大事だからね。目は慣れているよ」と言う。週3日の練習が、車や歩行者、信号や標識を確認する視野はもちろん、グラウンドで打球を処理する際の反応も、運転席での反射神経を養っているようだ。
 昨今はアクセルとブレーキの踏み間違えによる事故も多い。これに、70歳以上の古希野球でも活躍する伊藤淳さん(78)は「オートマ車が普及したからではないか。マニュアル車しかなかった昔は考えられなかった。運転に集中しないといけないから」と言う。運転が単純操作で便利になった反面、事故も単純なミスで起きてしまう。
 高齢者だからといって、やたら免許の自主返納を勧めるのも見当違いだ。車を手放せば行動範囲が狭まり、やりがいが減り、体力は失われる。主力選手の河野裕さん(68)は「楽しみを奪われたらそれまで。毎日、家でテレビ番しとっちゃいかん」と言う。
 かつて豊橋商業高校で甲子園を経験し、中日ドラゴンズでプレーした尾崎時雄さん(80)は定期的なスポーツを勧める。「みんなユニホームを着てグラウンドに立てばガラッと変わる。10歳は若くなる。僕の周りの野球をやっとる人は、どんなに年を取っていてもしっかりしとるよ」。
 運転能力の低下が年齢に比例するとは一概には言えない。生活習慣と、体の変化に対する自覚が“運転年齢”を若くする。(おわり)
(由本裕貴)

主力選手としてプレーする豊橋オールドボーイズの久世さん
主力選手としてプレーする豊橋オールドボーイズの久世さん

カテゴリー:社会・経済 / 特集

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