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豊橋岩西小2年生のクラス担任・男性教諭が体罰

涙ながらに取材に応じる鈴木校長=岩西小学校で
涙ながらに取材に応じる鈴木校長=岩西小学校で

 豊橋市教育委員会は9日、市立岩西小学校で40代の男性教諭が担任する2年生の学級の児童5人に体罰をしていたと発表した。黒板に頭をぶつけられた女子児童は現在、登校していない。男性教諭は過去にも体罰をしており、処分も受けている。記者会見した山西正泰教育長は「保護者、市民の教育への信頼を裏切り、大変申し訳ありませんでした」と陳謝した。同小は11日、保護者説明会を開く。
 市教委によると、男性教諭は10月6日、算数の授業で女子児童の後頭部に手をあて「黒板をよく見なさい」と言って複数回、黒板に頭をぶつけた。答え合わせで正解を黒板に書き、直した児童から順番にチェックしたが、女子児童の直し方が不十分だったという。
 同30日に保護者からのメールを受け、市教委は学校職員や学級の児童28人から聞き取り調査を実施。女子児童は31日から欠席している。
 調査の結果、女子児童のほか、男子児童4人が、男性教諭から定規で頭をたたかれたり、両手で頬をつねられたりしていた。5人はいずれもけがはないという。
 男性教諭は2006(平成18)年に愛知県教委に採用され、岩西小には13年度から勤務。前年度、小学校で児童に対し、シャープペンシルを手に痕が残るようにあてる体罰をして戒告処分を受けた。現在、10月31日から学校を休んでいる。
 学校によると、2年前の10月にも、5年生男子児童へ手首の骨が曲がるけがを負わせた。市教委へ報告したが、処分はなかった。
 今年度は、4月に「暴言が過ぎる」と父母からの指摘を受け、学級を講師との2人体制とし、9月からは校長や教頭らが授業を観察し指導してきたという。
 鈴木宏道校長は涙ながらに取材に応じ、男性教諭について「授業づくりはとてもできた。自分の思う反応がないとイライラしてしまうと話している」と説明した。
 学校では9日、全校集会が行われた。鈴木校長が「頑張っている皆さんには大変申し訳ないことをした」と謝罪。子どもたちに動揺はなかったという。

岩西小教師の「恐怖授業」

 楽しいはずの学校生活で、岩西小の男性教諭は“恐怖授業”を繰り広げていた。その実態は、教師としてはおろか、人間としての素質を問われかねないものだった。
 ある日の授業参観で、多くの児童が一斉に挙手する光景に一部の父母が疑問に感じた。「他のクラスと比べて、異様に手を上げる子が多いよね」。実は日常の授業で、挙手しない児童に罵声を浴びせ、机を蹴るなどして威圧していた。
 特に算数の授業で、黒板に頭をたたきつけ、三角定規で殴打するといった体罰の他、叱った児童を空き教室となっている別室に連れて行き、「ばか」「お前がクラスで一番できない奴だ」と人間性を否定する言葉を浴びせた。残された児童には「何をされているんだろう」と不安が広がった。
 普段から声が大きい男性教諭に、ストレスを感じる子も多かった。体罰を受けた児童には「親に言ったら、仕返しするぞ」という趣旨の脅迫とも受け取れる発言を受けた子もいた。
 夏休み前も含めて3回体罰を受けたという女児はけがはなかったが、精神的にショックを受け、10月下旬から登校できない状態が続いている。「友達を守りたい。自分と同じことをされたくない」。その一心で母親に打ち明けた。
 母親が学校側に説明を求め、10月30日に男性教諭と対面。体罰の事実を問いただすと「どの部分を取り上げているのか」と曖昧な返答ばかりで言い訳がましく、誠意ある謝罪の言葉はなかった。
 過去にも暴力沙汰を起こし、処分を受けていた男性教諭。保護者からは春先から心配する声が寄せられていたが、学校は「担任は変えられない。目を光らせておく」と答えるだけだった。女児の母親は「子どもを守るべき立場の人なのに、真逆のことをしている。彼の教員免許をはく奪しない限り、またうちの子のように苦しむ子が出てくる」と涙ながらに訴えた。
(取材班)

 豊橋市教育委員会は9日、市立岩西小学校で40代の男性教諭が担任する2年生の学級の児童5人に体罰をしていたと発表した。黒板に頭をぶつけられた女子児童は現在、登校していない。男性教諭は過去にも体罰をしており、処分も受けている。記者会見した山西正泰教育長は「保護者、市民の教育への信頼を裏切り、大変申し訳ありませんでした」と陳謝した。同小は11日、保護者説明会を開く。
 市教委によると、男性教諭は10月6日、算数の授業で女子児童の後頭部に手をあて「黒板をよく見なさい」と言って複数回、黒板に頭をぶつけた。答え合わせで正解を黒板に書き、直した児童から順番にチェックしたが、女子児童の直し方が不十分だったという。
 同30日に保護者からのメールを受け、市教委は学校職員や学級の児童28人から聞き取り調査を実施。女子児童は31日から欠席している。
 調査の結果、女子児童のほか、男子児童4人が、男性教諭から定規で頭をたたかれたり、両手で頬をつねられたりしていた。5人はいずれもけがはないという。
 男性教諭は2006(平成18)年に愛知県教委に採用され、岩西小には13年度から勤務。前年度、小学校で児童に対し、シャープペンシルを手に痕が残るようにあてる体罰をして戒告処分を受けた。現在、10月31日から学校を休んでいる。
 学校によると、2年前の10月にも、5年生男子児童へ手首の骨が曲がるけがを負わせた。市教委へ報告したが、処分はなかった。
 今年度は、4月に「暴言が過ぎる」と父母からの指摘を受け、学級を講師との2人体制とし、9月からは校長や教頭らが授業を観察し指導してきたという。
 鈴木宏道校長は涙ながらに取材に応じ、男性教諭について「授業づくりはとてもできた。自分の思う反応がないとイライラしてしまうと話している」と説明した。
 学校では9日、全校集会が行われた。鈴木校長が「頑張っている皆さんには大変申し訳ないことをした」と謝罪。子どもたちに動揺はなかったという。

岩西小教師の「恐怖授業」

 楽しいはずの学校生活で、岩西小の男性教諭は“恐怖授業”を繰り広げていた。その実態は、教師としてはおろか、人間としての素質を問われかねないものだった。
 ある日の授業参観で、多くの児童が一斉に挙手する光景に一部の父母が疑問に感じた。「他のクラスと比べて、異様に手を上げる子が多いよね」。実は日常の授業で、挙手しない児童に罵声を浴びせ、机を蹴るなどして威圧していた。
 特に算数の授業で、黒板に頭をたたきつけ、三角定規で殴打するといった体罰の他、叱った児童を空き教室となっている別室に連れて行き、「ばか」「お前がクラスで一番できない奴だ」と人間性を否定する言葉を浴びせた。残された児童には「何をされているんだろう」と不安が広がった。
 普段から声が大きい男性教諭に、ストレスを感じる子も多かった。体罰を受けた児童には「親に言ったら、仕返しするぞ」という趣旨の脅迫とも受け取れる発言を受けた子もいた。
 夏休み前も含めて3回体罰を受けたという女児はけがはなかったが、精神的にショックを受け、10月下旬から登校できない状態が続いている。「友達を守りたい。自分と同じことをされたくない」。その一心で母親に打ち明けた。
 母親が学校側に説明を求め、10月30日に男性教諭と対面。体罰の事実を問いただすと「どの部分を取り上げているのか」と曖昧な返答ばかりで言い訳がましく、誠意ある謝罪の言葉はなかった。
 過去にも暴力沙汰を起こし、処分を受けていた男性教諭。保護者からは春先から心配する声が寄せられていたが、学校は「担任は変えられない。目を光らせておく」と答えるだけだった。女児の母親は「子どもを守るべき立場の人なのに、真逆のことをしている。彼の教員免許をはく奪しない限り、またうちの子のように苦しむ子が出てくる」と涙ながらに訴えた。
(取材班)

涙ながらに取材に応じる鈴木校長=岩西小学校で
涙ながらに取材に応じる鈴木校長=岩西小学校で

カテゴリー:社会・経済

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