豊橋市立の小中学校 20年度から3学期制へ

　市立小・中学校の今後の学期制を在り方を検討していた豊橋市教育委員会は13日、現行の２学期制を２０２０年度から３学期制とする方針を市議会福祉教育委員会に示した。授業は現行と同じ日数・時数とし、学期ごとに３回の学習の評価を行う。
　学校週５日制などに伴い、授業時間を確保し、きめ細かな教育を推進するため、市教委は07年度から３学期制にかえ、２学期制を導入。10年目を迎えた昨年度から、有識者や学校関係者、保護者らでつくる組織を立ち上げ、保護者や教職員、高校生を対象にしたアンケート調査などを実施、結果をもとに学期制の在り方を検討していた。
　２学期制では、学習意欲の維持、学習状況の伝達などに課題が多く、保護者の２学期制への満足度は小・中学校ともに低くかった。小・中学校で２学期制、高校で３学期制を体験している高校生からは、長期休業前に通知表を渡されることで自分の学力を理解でき、休み中に苦手分野を克服できることなどが分かった。
　これらを踏まえ、３学期制の導入方針を決定。１年を三つの学期に分け、短いスパンで学習内容の定着状況を児童生徒、保護者に伝えることで、児童生徒が課題、目標を持って新しい学期や学年に臨むことができるようにする。子どもにとってよい制度を最優先とした。
　市教委が打ち出した「新たな３学期制」では、１学期を「基礎」、２学期を「充実」、３学期を「発展」とする目標を掲げて指導する。教職員の多忙化により、児童生徒がじっくり向き合う時間が削減されないよう行事の見直し、精選を実施し、通知表の内容なども見直す。
　移行に向け、市教委は来年度から、趣旨や変更点などを紹介したリーフレットを作り、保護者や地域に周知するなど準備を進めていく。
（中村晋也）